「2050年に全車種EV化はムリ」専門家が徹底討論 EV化の理想と現実 クルマが買えなくなる可能性も
自動車業界では、二酸化炭素を排出しない電気自動車の開発が熱を帯びています。トヨタ自動車は高級車ブランド「レクサス」で次世代EVの開発を加速。2035年までには全車種をEVにする考えです。日産と三菱自動車は共同で新たな軽自動車のEVを発表。ホンダはソニーと新会社を設立して、異業種の連合軍でEV開発を進めています。
2021年の全世界の電気自動車の保有台数は1100万台。ここ数年で急激に増加しているものの、自動車全体の保有台数の1%にも届きません。
そこで各界の専門家に、脱炭素社会の実現性やバッテリー原料、脱炭素時代の選択肢などについて徹底討論していただきました。
【参加した専門家】
●モータージャーナリスト / 岡崎 五朗さん
●国際環境経済研究所 / 竹内 純子さん
●エネルギーアナリスト / 大場 紀章さん
●参議院議員 / 藤川 政人さん
●自動車経済評論家 / 池田 直渡さん
CO2を減らすには全ての人の努力が必要
カーボンニュートラルとは、地球温暖化を防ぐための世界共通目標です。二酸化炭素の排出量を減らす努力はもちろん、排出した二酸化炭素と同じ量を吸収したり回収したりして、大気中の二酸化炭素の増加分を差し引きゼロにすれば、温暖化を防げるのではないかという考え方です。
アナウンサー:自動車業界のみならず、全産業が注目すべき課題ですね。
国際環境経済研究所 竹内 純子さん:
全ての人が、カーボンニュートラルに向けて努力する必要があります。脱炭素のセオリーとしては、自動車を全てEV化することが重要です。CO2を減らすやり方としては、2つあります。
1. 燃費を上げる高効率化する
2. 車の使用抑制
車の燃費が倍になれば、同じ量のガソリンで倍の距離を走れるので、CO2が削減できます。しかし、これ以上は燃費を上げられないとなると『車に乗っちゃダメですよ』と車の使用抑制をすることになります。
また、再生可能エネルギーや原子力を使って電気を作ることもできます。そういった電気で自動車を走らせることで、運転する際のCO2はゼロにできるかと思います。