世界初公開「ニッポンのものづくり」最前線 まるで「手」のような最新ロボット
名古屋市港区にあるポートメッセなごやで行われている「ものづくりワールド名古屋」。2024年で9回目の開催となる同イベントは、機械部品や加工技術を扱う企業が、新しく開発した機械やシステムなどを業界関係者に紹介する展示会です。
日本のものづくりの最先端を紹介します。
手元のレバーに研磨する感触が伝わる
ベンチャー企業「MOTION LIB」では、遠隔操作ができるロボットを開発しました。機械の特徴は、遠隔操作だけではありません。金属を研磨する装置では、研磨する感触が手元のレバーにも伝わってくるといいます。
テレビ愛知 石井俊大アナウンサー
「実際に操作してみると、振動が手に伝わってきます。ブルブルという振動をかなり感じますね。磨いている感触が、そのまま振動として手元のレバーに伝わっています。レバーを傾けると、傾けた側にも強い力を感じます」
機械の感触が手に伝わることで、繊細な力加減が必要な操作も遠隔で行えるのです。
続いて、春日井市に本社を置く自動車部品メーカー「三ツ知」。自動車部品のほかに、バネとパーツをうまく利用することで、回転させずに押し込むだけで締め付けられる「ナット」を開発しました。
次に訪れたブースは「株式会社ブリヂストン ソフトロボティクスベンチャーズ」。タイヤやゴム製品などを手がけるブリヂストンの社内ベンチャーです。同展示会では世界初公開となる「ロボットハンド」を出展しました。
自動車の生産ラインを模しているブースになりますが、ロボットハンドのアームが動き出します。
【ロボットハンドの動き】
スイッチを持ち上げて移す
↓
押し込む
↓
合わさった部品を持って置く
↓
別の部品を持って置く
こうした複数の工程は、今まで1つのハンドではできませんでした。しかしロボットハンドはさまざまな工程を1つで実現できます。
一体どのように実現させたのか。CEOの音山哲一さんに詳しく話を聞きました。
――画期的な技術ですが、どのように工夫されていますか。
ブリヂストン ソフトロボティクスベンチャーズ
CEO 音山哲一さん:
「じつは指に秘密が隠されています。ブリヂストンは100年近くタイヤを開発して培ってきたゴムの技術を持っています。具体的には、指にゴムで作られた『人工筋肉』が入っているんです。人工筋肉なので柔軟。しかし非常に強い力、強い指を再現しています。この指でさまざまな形や重さ、物を持てるということで実現できました」