じつは地下鉄・名古屋駅のホームは短かった! 試運転回送列車にカメラを設置 担当者が解説【高畑~伏見】
名古屋市の中心部を走る名古屋市営地下鉄。中でも名古屋市中川区にある「高畑駅」と名東区にある「藤が丘駅」を結ぶ「東山線」は利用者が多く、名古屋や栄など都心へのアクセスが便利な路線です。
そんな東山線の運転席にカメラを設置して、高畑駅から伏見駅区間の地下鉄の裏側をのぞき見! 名古屋市交通局・稲垣秀規さんに解説してもらいました。
今回カメラを設置したのは「試運転回送列車」です。試運転回送列車とは、機器更新時に機械のテストを行う列車のことです。名古屋市交通局の稲垣さんいわく、東山線の高畑駅から藤が丘駅まで、すべての区間を試運転回送列車で走ることはめったにないそう!
■岩塚駅-中村公園駅
さっそく進むと、岩塚駅と中村公園駅の間にいくつか線路が見えました。
稲垣さん:
「向かって右に見える線路は、電気用モーターカーを停めておくものです」
――ここは保守基地なんですね。岩塚だけにあるのですか?
稲垣さん:
「藤が丘にもありますよ」
さらに線路を見ると、先ほどまでコンクリートだった線路が石に変化しています。
稲垣さん:
「コンクリートではなく石にすると、レールを上下に動かしやすくなるんです。レールの接続工事をスムーズに行えるよう、工夫されています」
中村公園は過去に終着駅として機能していたこともあったとか。現在の高畑駅まで延長するときに使われた名残だと、稲垣さんは話します。
――亀島から名古屋駅の間には、複数の線路がありますね。
稲垣さん:
「列車が上下線入れ替わるために使用する線路です。名古屋駅から高畑駅に向かって何か事故があった場合、ここで上下線を入れ替えて折り返し運転をします」
■名古屋駅に到着!
――名古屋駅のホームはなぜこんなに長いのでしょうか?
稲垣さん:
「じつは開業した昭和32年当時、上下線の列車は同じ位置にあったので“ホームが短い駅”でした。その後、東のほうに伸びると利用客が増加。ホームが飽和状態になってしまったので、駅を改装してホームの長い駅になったんです」