マグロ釣りの電動リール技術を“ドローンの制御”に活用 国内トップシェアを誇る企業の新事業 

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創業100年を超える金属加工会社が、新たに「ドローン」事業をスタートさせました。老舗企業が商機を見いだした画期的な製品に迫ります。

世界で初めて魚釣り用の「電動リール」を発売

マグロ釣り用電動リール

大阪府東大阪市にある1919年創業の「ミヤマエ」。金属加工を専門とする会社ですが、じつは世界で初めて魚釣り用の「電動リール」を発売しました。現在はマグロ釣りの漁師などが使うプロ向けの製品をつくっています。

ミヤマエ 宮前昭宏 社長:
「(自動で)巻きもするし、ある一定以上の負荷がかかると糸が出ます」

魚が一定以上の力で引っ張ると、糸を出して緩める仕組みになっています。泳ぐスピードは時速80キロともいわれるマグロ。強引に糸を引っ張ると、暴れて針が外れるほか、体温が上がって鮮度が落ちてしまうのです。

マグロ釣り

宮前社長:
「疲れたときに引っ張り巻き上げる、また糸を出す。これを繰り返すことで、死なないうちにマグロが船に近づいています」

いまやプロ用電動リールの市場で国内9割のシェアを誇るミヤマエ。さらに、新たな市場開拓に挑んでいます。市場は海ではなく“空”の「ドローン」です。

ドローンに商機を見いだす

ミヤ・リードロン

画像はドローンの飛行を補助する装置。マグロ用電動リールの「糸を出しながら、巻き上げる」技術を応用したのです。マグロと同じようにドローンが飛んで、機体が前へ進むと糸が出ます。無理に引っ張らないため、バランスを崩しにくいといいます。

人口密集地でのドローン規制

ドローンは人口密集地では規制が厳しく、事前の飛行許可が必要ですが、2021年に航空法が改正され、機体を30メートル以内に係留すれば許可が不要になりました。ここに商機を見いだしました。

暴走防止にも役立つドローン

インフラ設備の点検などを手がける旭テクノロジーは、この装置を3月に導入。配管の亀裂などを確認する際に役立てています。

旭テクノロジー ドローン事業部 天野 貴仁主任:
「暴走防止にも役立ち、命綱的な役割も果たしています」

日本経済新聞社 高橋圭介記者:
「(2023年度の)ドローンの市場規模は国内で3800億円。5年後には9000億円(2.4倍)に伸びるという予測されています。ドローンの補助という、まだ誰もやっていないマーケットにチャレンジ。ドローンが活用できる範囲をもっと広げられます」

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