店内で「ロボット」が接客 ロボットを扱うのは障害者 SDGsに取り組むレストラン

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愛知県中村区にあるレストラン「きょうわごはん」ではロボットが接客しています。愛知県内に住む女性・サーマさんが、自宅から遠隔で操作。「ご来店ありがとうございます。ご説明させていただきます」と、客をご案内します。

ロボットを使った接客の仕事を募集していた

日替わりランチ

「きょうわごはん」は2024年2月にオープンしたばかり。管理栄養士がバランス良く栄養が摂れるよう考えた料理が人気です。この日のランチはカリッと焼いた鶏もも肉と特性のタルタルソースが食欲をそそる「チキン南蛮」です。

多発性骨端軟骨形成不全症を患う

ロボットを操作するサーマさんは生まれつき骨や関節が外れやすく、全身に激しい痛みが伴う難病「多発性骨端軟骨形成不全症」を患っています。以前は企業で事務職についていましたが、通勤することが難しくなり退社を余儀なくされました。それから10年ほど働くことができませんでしたが、ロボットを使った接客の仕事を募集していると知り、働くことができるようになりました。

サーマさん:
「家で仕事をしていて、自分の知らない世界を知っている人とつながることができました。それが私にとってとても魅力的なんです。お喋りすることができたときは本当にうれしい」

大崎光博さん

「きょうわごはん」はサーマさんのような障害がある人を積極的に雇用するレストランです。レストランの9人の従業員のうち5人に何らかの障害などがあります。

調理担当の大崎光博さんは認知症を患っています。餃子を作っていましたが、調味料を入れたことを忘れてしまったようです。

「これがなかったら食えない」

「料理は続けたい」と話す大崎さん

中華料理店を経営していた大崎さん、ある日客から「味が変わった」と指摘されます。認知症になり、味付けや料理の手順を忘れるなど、調理に支障が出るようになっていたのです。40年以上続けていた店は人に譲りましたが、それでも料理は続けたいという思いからきょうわごはんで働くことに。

大崎光博さん:
「生きがいにしないと、これがなかったら食えないですね」

職場にうまく馴染めない人が多い

「きょうわごはん」を運営するのは、東海地区を中心に調剤薬局を展開するキョーワ薬局です。薬局がなぜ障害や病気のある人が働ける場所をつくったのでしょうか。

キョーワ薬局が千種区で開いている発達障害のある人を支援する相談所では、スタッフが通所者から「職場にうまく馴染めない」といった悩みを聞いていました。発達障害のある人は周囲とのコミュニケーションが苦手だったり、行動がコントロールできなかったりすることから、職場に馴染めず辞めていくことが多いといいます。

障害のある人が1年以内に職場を離れる割合は約4割

協和ケミカル 池田 裕樹執行役員

厚生労働省によると、障害のある人が1年以内に職場を離れる割合は約4割にのぼります。キョーワ薬局は発達障害をはじめ、障害のある人が長く働ける場所を提供したいという思いからきょうわごはんを開業しました。

SDGsの持続可能な開発目標・8番「働きがいも成長も」。きょうわごはんでは、障害がある人もやりがいをもって仕事ができる場所を作っています。今後レストランだけでなく薬局でもロボットを採用していく予定です。

協和ケミカル 池田 裕樹執行役員:
「薬局の中で、今後どういったことができるのか、実証実験をして実現可能なら切り替えていきたい」

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