マイナ保険証 愛知県の利用率は3.98% 利用促進狙い国が医療機関に最大20万円の一時金支給へ
名古屋市の河村市長は4月15日の会見で、保険証を「マイナンバーカードに一本化するべきではない」と、改めてマイナ保険証に否定的な見解を示しました。
名古屋市 河村たかし市長:
「医療は医療で別の番号を使えばいい。一緒にしてしまえば便利というが便利ではない。何を言っているんだと」
個人情報保護への懸念や国民に番号を付けることに反対する立場から、改めてマイナ保険証を否定した河村市長。しかし、マイナ保険証をめぐっては先週…
武見敬三厚生労働大臣:
「2024年5月から7月までを『マイナ保険証利用促進集中取組月間』として、医療DXのパスポートとなるマイナ保険証の利用促進に全力をあげて取り組む」
厚生労働省はマイナ保険証の利用を増やすために、マイナ保険証の利用者を増やした診療所や病院などに対して、最大20万円の一時金を支給する制度を始めます。2023年10月の利用実績と比較し、増加分に応じて金額は変動します。
【支給の条件】
・窓口でポスターを掲示すること
・患者に利用を促す声掛け
・チラシの配布 など
武見厚生労働大臣は、マイナ保険証を使うことで薬の情報や治療の履歴が確認でき、より良い医療の提供につながるとメリットを強調しています。
実際にマイナ保険証は、どれくらい使われているのか。医療機関を取材しました。
愛知県あま市のすぎとう歯科クリニック。受付にはマイナ保険証を読み取る機械がありますが、患者が出したのは…従来の保険証です。
午前9時からの1時間で訪れた患者12人のうち、マイナ保険証を利用したのは1人でした。利用しない理由を聞くと…
40代の患者:
「くせがついていない。出してとも言われないし…。(受付で)言われたら出すかも」
医療機関からの働きかけ次第では利用を検討するという声も。しかし…
記者:
医療機関から声掛けが増えたら?
80代の患者:
「別に…変わらない」
60代の患者:
「マイナンバーカードのIDは人には見せないようにと言われているし、保険証として使うのは不安。自分にとって利益があれば変わるかも」
さらには…
50代の患者:
「マイナンバーカード持ってない。取得するのは腰が重いですね」
従来の保険証は12月2日に発行が終了しますが、3月時点のマイナ保険証の利用率は全国で5.47%、愛知では3.98%に留まっています。