失敗した「国産ジェット旅客機の開発」再び動き出すか  「もう一度がんばってみよう」愛知の企業の思いは

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航空機産業を巡って今、新たな動きが出ています。3月に経済産業省が、新たな国産旅客機の開発を支援する方針を発表しました。

複数社による開発を目指し、官民で5兆円程度を投資する計画です。しかし、1年前には国産初の小型ジェット旅客機「スペースジェット」が2023年2月、撤退に追い込まれました。三菱重工が開発を進めたスペースジェットによって、愛知県内の多くの企業が振り回されたと言っても過言ではありません。

タカギスチール

愛知県名古屋市に本社を構える「タカギスチール」。この企業は飛行機の部品をつくるための素材、合金などを扱っている会社です。スペースジェットの計画頓挫に関しては、さまざまな影響があったといいます。

タカギスチールの山下和孝さんに話を聞きます。

スペースジェット

――スペースジェットの計画が頓挫した影響について教えてください。

タカギスチール 営業本部長 山下和孝さん:
「わたしたちからメーカーや協力会社に、『これから仕事が増えていくので』とお願いしていた部分がたくさんありました。準備していたものがすべて台無しになってしまったという影響はすごく大きかったです」

――取引先の企業にも影響はありましたか。

「加工先などは、スペースジェットの計画のために設備を導入したり、機械を空けたりして準備をしていました。そんな中で、すべてが止まってしまったことで、機械をどのように使っていくのか、といった部分で大変な思いをしている会社が多いです」

新たな計画

――新たな国産ジェット旅客機の開発について、率直にどのように感じましたか。

「『もう一度がんばってみよう』というモチベーションにつながりました。新型コロナが影響して航空機産業が沈んだことに加え、スペースジェットの撤退が重なり航空機産業がネガティブに捉えられてしまっています。そんな中で国が主導してもう一度がんばろう、と後押ししてくれました」

――“不安”についてはいかがでしょうか。

「正直、不安はたくさんありました。しかしそれ以上に、今までの経験があったからこそ、もう一度やってみようと言ってもらえた。それはわたしたちも準備ができます。前向きに捉えて取り組んでいます」

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