歯ブラシを「竹」で作って「脱プラスチック」へ 毎日捨てられるホテルのアメニティのSDGsに迫る

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社会問題となっている「プラスチック」の廃棄問題。ある生活用品を脱プラスチックして、注目を集めている企業がありました。

ミヨ オーガニック竹歯ブラシ

名古屋市にある、店舗をデザイン・設計する会社「豊和」。オフィスをのぞいてみると、会社には4人しかいません。この小さな会社が「脱プラスチック」で、新たなアイデア商品を作り出しました。

一見、木の歯ブラシのようにも見えますが、実はこの歯ブラシ、竹でできています。この竹でできた歯ブラシ、3年前に商品化されました。

地球温暖化の原因にもつながる

豊和 山本 美代取締役

歯ブラシといえば「プラスチック製」が主流ですが、その捨てられている数はなんと、年間約36億本です。

「ホテルのアメニティの歯ブラシ歯を磨いていた瞬間に、私が夜と朝に使ってそれで捨てちゃうんだな、と気が付いたんです」(豊和 山本 美代取締役)

プラスチックが環境に与える問題は2つあります。海の生き物がプラスチックを食べて、命をなくして生態系を壊す危険があります。また、焼却をすると二酸化炭素が発生し、地球温暖化の原因にもなります。

仕入れが困難なことや加工場が少ないという課題も

「環境に優しい脱プラスチック」の歯ブラシを作りたい。そこで山本さんが目をつけたのが「竹」でした。

「環境先進国といわれていたオランダとヨーロッパに行って、そこでは何が作られているんだろうと視察に行きました。ヨーロッパで作られているのを見て分かったのが、竹が多いことです」(山本さん)

廃棄しても土の中で微生物に分解され、燃やしても有害物資がでないのが「竹」です。しかし、日本では、肉厚の竹を仕入れることが難しく、竹の加工工場も少なかったのです。

全国で約250店舗の宿泊施設などに設置

「豊和は元々竹の割りばしからビジネスを始めているので、もしかすると歯ブラシと竹の歯ブラシって途中まで作る工程が同じなんじゃないかと思いました」(山本さん)

そこで竹の割りばしを作っている中国の工場に、制作を依頼しました。開発から約1年半、ようやく竹の歯ブラシが完成しました。今では、その評判を聞きつけ全国で約250店舗の宿泊施設や薬局に竹の歯ブラシが置かれています。

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