愛知製鋼・知多工場の「特殊鋼」作り モノづくりに欠かせない、大迫力と灼熱の世界に迫る

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溶鋼を作り出す工程はまさに灼熱

鉄に様々な合金を混ぜ合わせて作る「特殊鋼」。材料を変えることで、用途に合わせた特性に仕上げることができ、モノづくりに欠かせない存在です。クランクシャフトやリングギアなど、車の部品にも使用されています。今回はそんなモノづくりで活躍する「特殊鋼」を生み出す、愛知製鋼知多工場の“大迫力と灼熱の世界”に迫ります。

【動画】ド迫力!自動車パーツの特殊鋼の製造現場に潜入

鉄スクラップが宝の山!? エコな特殊鋼作り

車の廃車や家の解体で大量に出る鉄スクラップ

バンテリンドームナゴヤ約20個分の敷地面積をもつ愛知製鋼の知多工場。まず案内してもらったのは、鉄スクラップ置き場です。一見ゴミのようですが、実は大切な特殊鋼の原材料となっています。

鉄を再利用するところから始まる特殊鋼づくり

使い終わった鉄クズも、まさに宝の山。特殊鋼作りは鉄をリサイクルするという、エコな取り組みから始まるのです。

まるでSF映画の宇宙船のよう!? 鉄スクラップを集めてバケットへ

磁石で鉄スクラップをまとめて吸い上げる

次に向かったのは、まるでSF映画に出てきそうな巨大なプラント。強力な磁石の円盤が散らばった鉄スクラップを引き寄せて、バケットと呼ばれる大きな容器に集められます。

55トンを引き上げる機械設備

満杯の鉄スクラップとバケットを合わせた総重量は約155トン。ワイヤーが付いたフックで、鉄スクラップ満杯のバケットをがっちりロック。155トンもある鉄スクラップ入りバケットを持ち上げます。

宇宙船のように運ばれる、まさにバケット号

そしてゆっくりと移動させます。その様子はまるで、ほかの惑星から来た宇宙船。さながらSF映画を彷彿とさせるワンシーンを見ることができました。

凄まじい雷の轟音 電気炉で溶鋼を作り出す

バケットはそのまま灼熱の電気炉へ

バゲットが移動して行ったのは、燃え盛る炎の上。真上に到着すると、底が開いて鉄スクラップが勢いよく投入されます。これは「電気炉」という設備です。

鉄スクラップを溶かす様子

鉄スクラップの投入が完了すると、超高圧電流を流した電極が現れます。すると凄まじい轟音とともに、青白い光がさく裂! 人工的に雷を作り出して、鉄スクラップをダイナミックに溶かしているのです。

マグマのようにドロドロになった溶鋼

大量の鉄を溶かすとあって、必要なパワーは1日で一般家庭1世帯が使う電力の約7万5000倍にも及ぶのだそう。1時間かけて鉄スクラップをドロドロの状態(溶鋼)にしていきます。温度はなんと1600度!

合金を混ぜて特殊鋼へ 鋳造を経てブロックに切断

合金を混ぜていよいよ特殊鋼を固める工程へ

次に溶鋼に合金を混ぜ込んでいき、鉄に固さや粘りなどの特性を加えていきます。混ぜられたドロドロ状態の特殊鋼は再び空中を移動。ターンテーブルのような設備に固定されました。

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