「e-メタン」脱炭素化時代の救世主となるか 市場も拡大 日本のガス会社が注目する理由

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政府は2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする目標を掲げています。そこでいま、日本のガス会社が力を入れているのが「e-メタン」です。「e-メタン」とは何なのか、取材しました。

「e-メタン」は二酸化炭素の総量が増えない

愛知県知多市にある東邦ガスの工場です。敷地内には大きなタンクが…この大きな設備で製造されているのが「e-メタン」と呼ばれる合成メタンです。

小林 圭太記者:
「e-メタン最大の特徴は、二酸化炭素が原料になっているという点です。隣接する下水処理場で排出された二酸化炭素がこの管を通ってあちらのタンクに蓄えられています」

東邦ガスのこちらの工場では、排出された二酸化炭素を回収して工場でつくられる水素と合わせることで、都市ガスの主成分となる「e-メタン」を作っています。この「e-メタン」は、排出される二酸化炭素が原料となっているため、ガスが燃えても大気中の二酸化炭素の総量が増えることはありません。

東邦ガスは「e-メタン」製造の実証実験に乗り出すことになり、9日、実証施設の開所式が行われました。

実証実験は2026年3月まで行われ、「e-メタン」の製造設備が問題なく継続的に作動していくか確かめ、そのうえで今後は製造設備の大規模化などを検討していくということです。

脱炭素化に有効な「e-メタン」課題はコスト

「e-メタン」の世界市場予測

東邦ガスだけではなく日本のガス会社が注目している「e-メタン」。富士経済によりますと「e-メタン」の市場規模は年々増え続けて、2050年には2兆6640億円になると言われています。なぜ、「e-メタン」なのか。そこにはあるメリットがあるといいます。

東邦ガス技術研究所 萩野拓郎課長:
「既存のインフラを継続利用できる。ガス自体の脱炭素化を進めるのに大変有効」

一方で課題もあります。

東邦ガス技術研究所 萩野拓郎課長:
「新しいエネルギーの導入は既存のエネルギーに対してコストが高い。大量安価でe-メタンを製造したい」

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