50脚も重ねられる「スタッキングチェア」 工場では職人とロボットがタッグ 折り曲げ加工の精巧さに感服

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折り曲げ加工を担当するベンダーマシン

劇場や映画館、大ホールといった公共施設の集合空間で多くの人が座るのに欠かせないのがスタッキングチェア。ぴったりと寸分違わずに重ねて50脚を置けるのが最大の魅力です。驚異の収納力を誇り、世界中で活躍するスタッキングチェアをつくっているのが名古屋市東区に本社を置く家具メーカー「愛知」。椅子づくりに秘められた職人と工場のロボットが織りなす合わせ技をご紹介します。

【動画で見る】精密に曲げる名人マシン! 椅子の製造工場【工場へ行こうⅢ】

1本のパイプを正確に折り曲げるロボット

50脚重ねて置くことができるスタッキングチェア

愛知県春日井市にある「愛知」の工場。そこに奇妙な動きをするロボットがいました。滑らかにクネクネと動き、動いていたかと思えば次の瞬間にはピタッと静止。静止したかと思ったら、また次の瞬間には角度を変えてクネクネと動き出します。

数多の動作の直後、できあがってきたのは椅子の座る部分を支える脚。全部が同じ角度に折り曲げられ、工程を終えて加工が施され並べられた部品は、寸分違わずきれいにそろっています。

折り曲げ加工の工程を担当しているのはベンダーマシン。1本のパイプを正確に曲げて、椅子の脚を何本もつくり上げていきます。

ベンダーマシンの寸分違わない折り曲げ加工

パイプをがっちりとつかみ、グイっと曲げる。今度は関節を巧みに使いながら動きを変えて、違う角度からパイプを折り曲げる。みるみるうちに1本のパイプが椅子の脚に。工程を終えて折り曲げられた部品は、全部が同一という精巧さを誇ります。

正確な加工の秘密はマシンの「溝」

溝に合わせてパイプをがっちりつかみ、折り曲げ加工を施している

金属は90度よりも鋭角に曲げるのが難しいとされています。しかし、同社が送り出すスタッキングチェアは、よりスマートなフォルムを目指して脚の角度は75度。デザインにもしっかりこだわっています。

ベンダーマシンの先端をよく見てみると、溝のようなものが見えます。この溝でパイプをがっちりつかむことで、曲げたい部分だけをきれいに折り曲げることが可能になるのです。だから何本折り曲げても、寸分違わぬ加工ができるというわけです。折り曲げ加工のキモとなる先端部分は、椅子の設計に合わせて自社開発して製造しています。

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