旅行の最悪のお土産「トコジラミ」 夏に急増の恐れ 新型コロナ明けの規制緩和も影響

くらし・生活 くらし・医療 友だち追加

旅行先で寝ている間に体がかゆくなり、肌を見ると無数の赤い発疹ができていた、なんて経験はありませんか? 
それは「トコジラミ」の仕業かもしれません。知らぬ間に旅行先から家へ連れ帰ってしまうと、一気に繁殖してしまう可能性があります。
今回は、今夏急拡大する恐れのあるトコジラミについて調べました。

トコジラミは、名前に「シラミ」とついていますが、実はカメムシの仲間です。害虫駆除に関する調査を行っている日本ペストコントロール協会の小松謙之さんに、その特徴を聞きました。

色は茶褐色で体長は5ミリから8ミリほどあります。人や動物の血液が餌で噛まれると赤く小さな発疹が出て、蚊に噛まれたようなかゆみが出ます。人によっては夜も眠れないほどのかゆみになったり、発熱したりする場合もあります。

旅行客がトコジラミを持ち込む?

トコジラミの被害相談件数

生息するのは室内の暗くて狭いところです。名前に「床」がついている通り、ベッドや布団付近の隙間に多く潜んでいます。小松さんによると、その背景には「旅行客の増加」が関係しているといいます。

日本ペストコントロール協会に寄せられた被害相談件数の推移を見てみます。トコジラミは海外から日本へ持ち込まれることが多いといわれています。

2010年以降はインバウンドの増加で国内へ持ち込まれたトコジラミが一気に増加しました。新型コロナの感染が拡大した2020年には一度落ち着きましたが、2021年には再び増加。コロナ禍以前の水準に戻りつつあります。

新型コロナの規制緩和で国内外での旅行客が増加し、トコジラミがいる可能性のある旅館や施設を多くの人が訪れるようになりました。旅行客の荷物にトコジラミが紛れ、知らぬ間に家へ持ち帰り、繁殖するケースが多いです。

一度繁殖すると自力での駆除は難しい

自力駆除は困難

そして、トコジラミが繁殖しやすいのは気温が高い夏なので、これからの季節はより注意が必要です。メスの成虫1匹は1日に5~6個の卵を産みます。その卵がかえって成虫になるというサイクルを繰り返すと、3か月で4000匹まで増えてしまうんです。一旦増えると自力での駆除は難しく、業者に対応してもらうことになります。

駆除にかかる期間は3週間ほど、また駆除費用は被害が大きい場合30万円ほどかかることもあるそうです。

おすすめの記事

おすすめの記事

アクセスランキング

アクセスランキング

ページトップへページトップへ