光り輝く納骨堂にスマホ決済のデジタルさい銭 愛知「万松寺」生き残りをかけたデジタル改革

経済 社会 地域 テクノロジー くらし・生活 コラム・特集 友だち追加

愛知県名古屋市にある寺「万松寺」はデジタル技術を活用した取り組みを次々と打ち出しています。長い歴史を持つお寺がデジタル化を進めるその理由に注目します。

織田信秀によって建立された万松寺

名古屋で最大規模の商店街、大須商店街には、約480年の歴史を持つお寺「万松寺」があります。織田信長の父・織田信秀によって建立されたお寺で、「信秀の葬儀で信長が位牌に抹香を投げつけた」という逸話でも知られています。

キャッシュレス決済のさい銭

バンショウジコイン

参拝客が投げ入れようとしたさい銭、実は硬貨ではありません。さい銭用に作られたコイン、「バンショウジコイン」です。コインは1枚500円。支払いはキャッシュレス決済のみです。

現金を持ち歩かない人に「さい銭を投げ入れてほしい」と考案され、発売から2か月で約460枚を売り上げました。

「たまたま小銭を持っていなかったけれどお参りをしたかったので、ありがたいです」(参拝客)

外国人客にも大好評

デジタルさい銭

国内の観光客だけでなく、外国人旅行客からも好評です。

「コインの意味はよく分からないけど、神聖なものであることは分かります」(外国人観光客)

キャッシュレスさい銭以外にも、「デジタルさい銭」も導入。スマートフォンでQRコードを読み取り、金額を指定してさい銭を納めることができます。

伝統を守るだけでなく「攻めの経営」が重要

大藤元裕住職

これらを手掛けたのは大藤元裕住職。実家の万松寺を継ぐ前は、パソコン関連企業を経営。マイクロソフトの創業者・ビルゲイツ氏とも仕事をしました。大藤住職がお寺らしからぬ先進的な取り組みを進めるのには、攻めの経営が重要だったと話します。

「お寺は、歴史を持つがゆえにディフェンスに回ってしまいます。伝統を守ろうとするんです。でも、ディフェンスだけではお寺を維持できません。オフェンス(攻めの経営)をしないといけないんです」(万松寺 大藤元裕住職)

批判を覚悟の上で改革を進める

深刻な檀家離れ

現在、お寺は、檀家離れなどにより経営が苦しくなっています。2040年には3分の1のお寺が消滅するという試算も。全国でお寺の数が最も多い愛知県も例外ではありません。

そんな中で、檀家に頼らない「攻めの経営」を模索してきた万松寺。歴史あるお寺だけに、批判も覚悟したそうです。

「新しいことをやるには必ず批判はついてきます。批判は覚悟した上で、それを説得できる考えをもって順々に改革を進めていくことが重要だと思います」(大藤住職)

おすすめの記事

おすすめの記事

アクセスランキング

アクセスランキング

ページトップへページトップへ