「シュクメルリ」に「フェイジョアーダ」なじみの薄い世界各国料理のレトルト食品でニッチ市場狙う

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「シュクメルリ」に「フェイジョアーダ」。日本では聞きなじみのない世界各国の料理をレトルト食品にして製造・販売する企業がありました。なぜニッチなレトルト食品を手がけようと考えたのか。企業の思いや製造の裏側に迫ります。

元大関・栃ノ心

東京都港区で行われた日本ジョージア商工会議所、設立記念式典。スーツ姿の人の中でひときわ目立っていたのが、大相撲の元大関・栃ノ心です。出身地である、東欧の国・ジョージアに関連したパーティーが開催されていました。その会場で振る舞われたのが、地域の代表的な料理「シュクメルリ」です。

シュクメルリ

在日ジョージア大使館 ティムラズ・レジャバ大使:
「シュクメルリはニンニクと乳製品と鶏肉のうまみが絡まっていて、ニンニクの香りが特に強いことが特徴。よく表現されています」

ニンニクを食べるための料理とも言われるほどの独特の味で、大使も太鼓判を押すほど。実はこれ、レトルト食品なんです。

レジャバ大使と奈良原一平さん

奈良原 一平さん:
「発売して3年が経ちますけど、不動のレギュラー。1番ですね」

レトルト食品を作ったのは、奈良原一平さんです。レジャバ大使とは、かつてキッコーマンで一緒に働いていた縁から、開発に取り組みました。約30万人のフォロワーを抱えるレジャバ大使のXでの発信もあり話題に。今では、セルビアやチェコなど8カ国の品をそろえ、8万食が売れました。しかし、どうやってなじみの薄い料理の味を再現するのでしょうか。

市販のラーメンや焼きそば用の小袋を製造

スープやだしを作る

奈良原さんが専務を務めるのは、福岡市にある松原食品です。工場で製造するのは、スープやだし、市販のラーメンや焼きそば用の小袋。年に1000品目以上作ります。ラーメン会社から提供されるレシピだけでは味は再現できず、600種類の調味料を組み合わせて作り出します。そのノウハウを外国の料理にも活用しました。

世界各国の料理を再現する松原食品の伊藤淳司さんは「本場の味を大使館の人に作ってもらったり、レシピをもらったりするのですが、我々には正解が分かりませんでした」と話します。

コロナ禍で海外出張ができず、現地の様子が分からないまま手探りが続いたと言います。鶏のスープであるジョージアのシュクメルリは、本来は入っていない豚の脂を加えて味と香りのバランスを整える工夫にようやくたどり着きました。

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