新型センチュリーは歴代初SUV これまで「おそらく赤字だった」と専門家 豊田章男会長、新世代への思い

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トヨタ自動車は9月6日、新型センチュリーを発表しました。歴代初のSUV(=スポーツ用多目的車タイプ)です。自動車経済評論家の池田直渡さんに話を聞きます。

―――イギリスの高級車ブランドが最近、SUVタイプを販売しているということで、トヨタも海外を意識しているのでしょうか。

今回、確かに海外でも販売するというアナウンスは出ています。月販30台という規模なので日本のシェアが何%でアメリカのシェアが何%でという考え方ではないと思います。

世界各国どこにいても、今回の新しいセンチュリーが欲しい人には販売するということだと捉えておいた方がいいと思います。

―――これまでのセンチュリーは国内販売だけでしたが、今回は海外でも売るということで、考え方が少し変わりましたか。

今回、センチュリーがこれだけ大きく変わったのは豊田会長の発案だというお話でした。

初代から3代目までのセンチュリーは章一郎名誉会長がずっと開発に携わってきた車です。豊田章男会長から見ると、お父さんたちの世代の車であるという認識でした。

(章男会長が)自分が会長になり、自分たちの世代のための新しい高級サルーンが欲しい、それは今までのセダンタイプじゃないというのが、今回の新しいセンチュリーの開発のスタートになったようです。

―――だからこそ、トヨタ自動車のサイモン・ハンフリーズ取締役も、「新しい」というコメントを繰り返していたわけですね。

会長としては若い世代の人たちによる、俺たちの世代のサルーンというものが作られた、というのが、今回の新しいセンチュリーだと思います。

―――見た目は今の時代に合った雰囲気に変わったと思いますが、作り方などもこれまでとは変わった新しさが含まれているのですか。

サルーンという車種は減っており、今はロールスロイスとセンチュリーしか、運転手付きで使うことが前提、という車ではなくなっています。

伝統を守り続けていきたい、という思いはトヨタにもあるため、それならばしっかりと採算を合わせて、利益が取れる形に持っていかないとサステナブルでいられない。

いつまでも持ち出しで高級車を看板として作っていくという考え方だけでは継続できないということを考えて、今回クラウンで実績のあるKプラットフォームという、利益の回収が終わっている車種。終わっているといっても、古いものというわけではなく、現行で稼いでいるKプラットフォームという、車体をベースに使ってセンチュリーを開発したということです。

―――これまでのセンチュリーはなかなか採算が取りづらかったが、今回の新しいセンチュリーは既存のプラットフォームを活用しているため利益を出すことが出来るということでしょうか。

台数が少ないため、大きな利益ではないと思いますが、今まではおそらく赤字だったと思います。

―――乗り心地などは既存のプラットフォームを使いながらでも担保されているのでしょうか。

新しい電子制御の、後輪操舵システムなどを使い、車線変更の揺れが穏やかになるような、新しいテクノロジーを投入したものになったということが発表されていました。

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