ウナギの刺身も「こりこり」 急速冷凍技術は冷凍食品のあり方を変える!? 愛知
コロナ禍をきっかけに、冷凍食品「冷食」の需要が拡大する中、革新的な急速冷凍の技術が注目を集めています。目指すのは、「おいしく凍結、おいしく解凍」です。
名古屋めしといえば「ひつまぶし」。店にはもうひとつ名物メニューが「ウナギの刺身」です。脂の甘みや独特の食感が特長。ただ、血抜きなど下ごしらえに時間がかかるので注文を受けてからでは間に合いません。
そこで導入したのが業務用液体急速凍結機です。下ごしらえした「ウナギの切り身」を冷凍保存。注文があればそれを解凍して調理します。肝心の味を客に聞くと「めっちゃコリコリ」「冷凍と聞いても本当に分からない。全然分からない」と話します。
牛肉なら15分でカチカチに凍る「業務用液体急速凍結機」
業務用液体急速凍結機を開発したのは、愛知県豊明市の「ホシザキ」。製氷機と業務用冷蔵庫の国内シェアはトップです。業務用液体急速凍結機の中を開けると、マイナス35度という超低温に保たれた液体のエタノール。この中に食材を入れると、牛肉なら15分でカチカチに凍ります。
こんにゃくを機械に入れて急速凍結の実験を行います。一般的な冷凍庫で凍らせたこんにゃくと並べて自然解凍。それぞれの切り口を比べると、一般的な冷凍庫で凍らせたこんにゃくは大量の水分があふれ出してスカスカに。急速凍結はこんにゃく本来の弾力が残っています。
解凍したときに出る水分の量も違います。
通常、食材を凍らせると中にある氷の結晶が膨張し、食材の細胞を破壊してしまいます。これが鮮度の低下につながります。しかし急速凍結の場合は、氷の結晶が膨張する暇を与えないので、細胞へのダメージを最小限に抑えることができるんです。
名古屋にある業務用食品スーパー「アミカ」を取材しました。約1400品目の冷凍食品を販売するアミカの店長は「冷凍食品のクオリティは年々上がっています。まだまだびっくりするような冷凍食品が、今後も入荷予定となっています」と話します。