国内初の「子宮移植」を目指す医師 2027年度中の臨床研究を始める 愛知・藤田医科大学
生まれつき子宮がない女性などの妊娠・出産をめざす「子宮移植」。国内初の実施に向けて奮闘する愛知県の医師を取材しました。
【国内初の子宮移植へ】藤田医科大学が臨床研究の実施計画を申請 2027年度中の開始目指す
愛知県豊明市の藤田医科大学で、国内初となる子宮移植の臨床研究に向けた動きが進んでいます。研究を主導するのは、産婦人科の木須伊織教授です。
藤田医科大学 教授 木須伊織医師:
「子宮移植を研究として実施していくことができるんじゃないかなと思っています」
子宮移植とは、生まれつき子宮がない「ロキタンスキー症候群」の患者などに、提供された子宮を移植したのち、パートナーの男性との受精卵を子宮に入れ、妊娠・出産を目指す医療のことです。
生まれつき子宮がない、もしくは何らかの原因で子宮を失った女性は国内でおよそ6万から7万人いるといわれていて、代理出産が事実上認められていない日本では、新たな選択肢になると期待されています。
木須教授が子宮移植の研究を始めたのは2009年。きっかけは子宮頸がんを患った同年代の女性の手術でした。
藤田医科大学 教授 木須医師:
「基本的には子宮頸がんの方は子宮を全部取らなきゃいけない。それを子宮のがんの部分だけ取り出して、残った子宮と膣を繋ぎ直して、妊娠の可能性を残せるという手術だったのですが、その患者は残念ながらがんが進行しており、子宮を全摘出せざるを得ず、20代で子宮を失うことになりました。そのとき強く感じた悔しさが、子宮移植の研究へと向かう契機となりました」
【「命を救う移植ではない」議論続く倫理的ハードル】サルでの出産成功経て17年間の軌跡
木須教授はまず、サルを用いた動物実験を重ね、子宮移植の研究を続けました。その後、体重3kgほどの小型のサルで、子宮移植後の出産にも成功しました。
現在では海外でも子宮移植の研究が進み、木須教授によりますと、これまで世界で150例以上の移植が行われ、80人以上の赤ちゃんが生まれています。
一方で日本国内での実施例はまだなく、その背景には特有の倫理的・制度的課題が存在します。
藤田医科大学 教授 木須医師:
「生命に関わらない臓器移植の許容というのがなかなか難しく、反対意見もあるのが現状です」






















