ほしい技術を探して購入するモノづくりのフリマサイト 存続危機の町工場の救世主となるか
春日井市の機械部品メーカーが、全国の町工場の技術を持ち寄って共有するインターネットサービスを立ち上げました。ものづくり技術のフリーマーケットといえるこのサイト、存続危機の町工場の救世主となれるのでしょうか。
愛知県春日井市にある丸菱製作所。三代目の戸松裕登専務に案内されて、工場の中をのぞくと、巨大な鋼材が並びます。この会社が主に受注しているのは、エレベーターの構造部品の製作です。
工場でひときわ目を惹くのが、巨大な三次元レーザー加工機。大きな鋼材を精密に加工するこの設備、2億円かけて整備しましたが悩みもありました。
余っているものを、ほしい人に出す
丸菱製作所 三代目 戸松 裕登専務:
「三次元レーザー加工機はかなりニッチで高額な設備。我々も常にいっぱいではなくて、空いているところがあります。空いているときに、使いたいけれど自分たちが持っていないという方に、オープンするきっかけになりました」
金属加工や部品加工を手がける町工場は、メーカーからの受注が基本です。メーカーからの要求に応えるためには、専用の設備をいくつもそろえなければなりません。しかし、いくら高額な機械を導入しても、発注がなければ工場内で眠ったままです。
丸菱製作所 三代目 戸松 裕登専務:
「フルコースの料理でたとえると、肉料理はいつも人気だけれど、サラダはいつも余っている状態です」
モノづくりのフリマサイト「ASNARO」を考案
「余っているものをほしい人に出せばいい」。戸松専務が考案したのは、工場向けのWEBサービス「ASNARO(アスナロ)」。ほしい技術を探して購入できる、モノづくりのフリマサイトになっています。必要な作業だけをその作業ができる町工場に依頼することができるサイトです。