自動車のEVシフト「部品メーカーは痛手」 東海3県の4割以上の企業が売り上げ減少か 生き残り策を解説

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トヨタグループ主要7社が中間決算を発表し、7社すべてが増収・増益となりました。しかし自動車のEV化によって、今後は予断を許さない状況が待っています。部品メーカーが生き残るための方策は何か。国内外の自動車関連企業を調査・研究する名城大学の田中武憲教授に話を聞きます。

電気自動車シフトによる売り上げへの影響

――今回、自動車部品メーカーは好決算でしたが、今後は予断を許さない状況とのことですね。詳しく教えてください。

現在の自動車産業は、従来のエンジンを使った自動車から、電気を中心とした電気自動車が急速に進んでいます。企業によってはこれまで作ってきた部品がなくなってしまうのです。電気自動車にシフトする状況への対応が、大手企業や中小企業の喫緊の課題だと思います。

――自動車の電動化によって、今後の部品メーカーがどうなるのかを研究したデータがあるそうですね。

中部経済産業局の協力を得て、2022年末に愛知県・三重県・岐阜県の中小企業の自動車部品メーカーを中心に、アンケートをとりました。現在の売り上げから3割程度減少すると答えた方が27.4%、5割以上売り上げが減ってしまうという会社は約1割に達していました。

――4割以上の企業が売り上げは減少すると考えているのですね。

ものづくりの技術をどのように電気自動車に生かすのか

自動車の電動化は中小企業にとって痛手に

これは完全に電気自動車にシフトするという前提ですが、東海3県の自動車部品メーカー、特に中小企業にとっては非常に厳しい結果がアンケートから分かります。

――部品メーカーはどのような生き残り策が求められていますか。

現場に蓄えられたものづくりの力を、新しい分野である電気自動車のどこに生かせるのか見つけてもらうことで、すばやく市場環境の変化に対応できるのではないかと思います。

東海3県の自動車部品メーカーは中小企業も含めて、円高や貿易摩擦、リーマン・ショック等も乗り越えてきた企業が多いです。そのため、ものづくりの力は非常に高いものがあると考えています。

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