電動スクーターをシェアして中距離を移動 交通弱者が多い地方の“救世主”となるか
生活の足となる鉄道やバスといった公共交通機関。それなりの規模の都市でも、少し郊外に出ると、移動が難しくなる地域も少なくありません。そこに登場した新たな選択肢がシェアリングサービスの電動スクーター。安定して中距離を移動できるニーズをつかみ、今、急速に増えています。
1日プランは2880円、手頃で使いやすい「ラクすく」
福岡市の郊外にある、九州大学の最寄り駅。大学までは駅からバスで20分ほどかかります。そこで駅前に設置された電動スクーターのシェアリングサービス「ラクすく」を利用する学生がいました。
利用する大学生:
「(九州大学と)自転車で行き来するのは距離的に遠いなと思っていて。いつでも使いたい時に使えて維持費も払わなくていいです」
「最近バスの価格が(330円に)上がってしまいました。『ラクすく』だとだいたい半額くらいの価格で行けます」
ラクすくは2022年11月に始まりました。借りたり返したりできるポートは1年あまりで福岡市内に100カ所、車両は240台となり、さらに次の1年でそれぞれ2倍となる見通しです。
スマートフォンに登録して鍵をオープンすれば使えます。1分16円、1日プランは2880円です。スクーターなので制限速度は30キロ。フル充電で約40キロを走れます。
山崎香奈キャスター:
「スクーターのボックスを開けると、ヘルメットが入っています。そしてポーチや自由に使える布キャップが入っているので、衛生的にヘルメットを使うことができます」
石油以外の事業を構築する必要がある
電動のスクーターですが、ポートはガソリンスタンドにもありました。「ラクすく」を運営しているのは石油事業を軸とする新出光。2026年には創業100年を迎える老舗です。
新出光 大和 健児取締役:
「石油だけでは厳しくなってくるので、少しずつ石油以外も構築していこうと考えています」
今では売上高の7割を石油以外の事業が占めるようになりました。