土地の相続登記「怠ると10万円以下の過料」科される可能性 すでに所有者が分からない土地も対象に

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410万ヘクタール。これはなんの面積だと思いますか? 日本国内で所有者が分からない土地の面積なんです。この広さ、実は九州本島よりも広いんです。この所有者不明の土地をなくすため、この4月から新たな法律が施行されました。

名古屋市千種区の閑静な住宅街。この土地は、ある問題を抱えていました。

名古屋市 地域振興部 鈴木隆幸主幹(当時):
「こちらに、約2カ月前まで崩れそうな空き家が建っていて、近隣の方から不安の声をもらっていた」

約2カ月前までは空き家があったと言います。

近隣住民:
「もうひどいもんだ。今にも倒れそうだった」

相続人は対応せず

4年前、近隣の苦情を受けた名古屋市は、空き家が倒壊する危険性を確認。所有者に対して、注意を促そうとしましたが…

名古屋市 地域振興部 鈴木主幹(当時):
「所有者を調査したところ、お亡くなりになってみえたことが分かった。亡くなっている場合は戸籍を取得して相続人を調べることになる」

名古屋市は4年かけて、ようやく相続人にたどりつきましたが、相続人は何も対応しませんでした。そこで名古屋市は、所有者に代わり、行政が強制的に措置する「行政代執行」で、空き家を取り壊しました。

名古屋市 地域振興部 鈴木主幹(当時):
「所有者がすぐに分かれば、その方に対応を促すということで、もっとスムーズに進めることができたと思う」

相続登記の義務化

こうした「所有者不明の土地」をなくそうと、4月から始まったのが「相続登記の義務化」です。

土地や建物の所有権を相続した人は、法務局に対して、所有者の記録を残す「登記」を行う必要があり、登記しない場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。

司法書士の江里さんの元にも、2024年に入ってから相談が相次いでいるといいます。

愛知県司法書士会 江里二郎副会長:
「潜在的には登記したいと思っていたけどなかなか思い立ってこれなかった、やってこれなかったという方が、登記手続きをするということになるので、予防効果は絶大に出てくる」

今回の法改正では、所有者が分かっていない土地に対しても、登記をしなければ、過料の対象になります。

相続人が101人いるケースも

しかし、こんな問題も。

愛知県司法書士会 江里副会長:
「101人、相続人がいるケース。明治の時代に亡くなられて、5世代にわたって、相続登記の手続きがされていないとこんな形になる」

登記をしないまま放置すると大変なことに…

土地を相続して登記をしないまま放置しておくと、相続人が増えていき、特定が困難になっていきます。知らぬ間に自分が土地を相続しているケースもあると、江里さんは指摘します。

愛知県司法書士会 江里副会長:
「お気づきになられていない不動産もおそらくあると思う。それを発見していくのは難しい」

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