空き家続出 残ったのは高齢者 築50年の団地を民間企業のチカラで再生へ

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住民が減って空き部屋が目立ち、残った人は高齢者が中心。全国の団地がこうした課題に直面しています。そんな中、団地の再生に向け、民間企業の力を生かす取り組みが福岡県で進んでいます。

日の里団地

福岡と北九州、2つの政令市のベッドタウンである福岡県宗像市。50年前に九州最大級の日の里団地が誕生し、最盛期には65棟に約5000人が暮らしていました。

子ども世代が団地を離れ2000人あまりにまで減っています。ところが今、現在大きく変身しています。

団地再生

再生に向けて9棟を壊し、住んでいた人は別の棟に移転。空いた場所に64戸の戸建てをつくりました。一部の棟は残し、交流の拠点に。

「団地の棟がもともと48号棟です。50年前から親しまれた名前というのはそのまま残したいと思いました」(さとづくり48 牛島 玄さん)

団地の再生プロジェクト「さとづくり48」のメンバーである牛島さんは、住民でもURのスタッフでもなく、地元の西部ガスの社員です。

2020年に、西部ガスや東邦レオ(大阪市)など10社が2億円を出資して団地再生のための団体を設立。団地と戸建て、全体で魅力を高めようと取り組みます。

「直近で赤字にならないくらいのところで運営して、まずは本気で地域の課題を解決したいと考えています」(牛島さん)

団地の中にあるビール工房

ひのさとブリュワリー

「もともとベランダだったところにウッドデッキを配置して(直接)上れるようにして、実際にこの部屋の中では、ビールを醸造しています」

1階の角部屋がなんとビール工房「ひのさとブリュワリー」に。原料の大麦も地元・宗像産を使います。

カフェもオープン

カフェ「みどりtoゆかり」

1階にはカフェ「みどりtoゆかり」もオープンして、地域の人に弁当も提供します。こうした施設をつくり、住民と外部の人を巻き込みます。

「『ひのさと48』が単体で利益を生み出す仕組みが重要です。地元住民だけでなく、外から人が集まるようなシステムを構築できれば、さらに持続可能性が高まります」(日本経済新聞社 西部支社 橋爪 洸我記者)

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