スキー場を再生 斬新サービスの口コミ広がり海外富裕層が押し寄せる 北海道

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コロナ禍で経営難になり倒産も増えているスキー場。その中で「新たな戦略」で人気を集めている小さなスキー場がありました。

北海道の岩内岳には、積もったばかりのパウダースノーを巻き上げて滑る人がいました。しかしリフトはありません。どうやって山の上に向かうのでしょうか。

6割がアメリカからの観光客

CAT 大型雪上車(14人乗り)

集まった17人の大半は外国人です。乗り込んだのはリフトではなく14人乗りの大型雪上車。キャビンは景色が見えるガラス張りです。急斜面でもグングン登ります。

連日満員

20分かけて頂上近くまで登ると、そこは樹氷の世界です。1日に10回程度CATが運んでくれるこのサービス。価格はなんと1日1人13万円です。それでもツアーは連日満員。大半が海外の富裕層で、6割がアメリカからの観光客です。

外国人利用者の声:
「ニセコは人がいっぱいだよ」

車で40分かけてニセコから岩内に

極上のパウダースノーを求めて岩内へ

じつは客層に特徴がありました。ほとんどが隣のニセコリゾートから来ています。ニセコは雪質の良さから外国人の人気を集めましたが、オーバーツーリズムで混雑。極上のパウダースノーを求め、わざわざ車で40分をかけて岩内にやってくるようになりました。

Yuki Kamuiのジョン・グライナー代表

かつて、このスキー場は町が管理していましたが、利用者の減少を受けてリフトは4基から1基に。リフトなしで登れるCATを導入したものの、採算が合いませんでした。

そのスキー場を今の形に変えたのがYuki Kamui(ユキカムイ)のジョン・グライナー代表です。日本在住15年。札幌のゲーム会社・ハドソンのグループ会社社長も務めました。

日本酒とビールを楽しめる場所も

7年前に町からスキー場を無償で借り受けると、ターゲットを外国人富裕層に定め、林間コースも整備。サービスの質を高め、価格を高く設定しました。

ユキカムイ ジョン・グライナー代表:
「パウダースノーはプライスレスです。値段はあまり関係ありません。“Best day of my life.”口コミだけの宣伝が一番良いです。キャッチフレーズは『HIDDEN HOKKAIDO(隠れた北海道)』ニセコの成功はほしくありません」

さらにCATスキーにはサッポロビールと日本酒で乾杯できるサービスも。口コミだけで利用者は年々増え、2024年のシーズンは2023年に比べて2割増加の1300人になりました。

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