シャープ 生物の「まね」で起死回生 動きや構造をヒントにして製品に生かす技術とは
コロナ禍の巣ごもり需要で売り上げを大きく伸ばした家電業界ですが、現在はその反動から売り上げは低調となっています。そんな中、大阪府堺市に本社を置くシャープは、売り上げが低調な家電の起死回生を図るべく、ある取り組みを始めました。
生物の動きや構造をヒントにして製品に生かす
シャープの製品開発担当者・公文ゆいさん。じつは「フクロウの観察」と「製品開発」、大きな関係があるといいます。2月20日に新製品の発表会見が行われていました。そこで発表された冷蔵庫の一部は、ホタテの殻の構造を応用しているそう。
シャープは2008年から、生物の動きや構造をヒントにして製品に生かす技術を「ネイチャーテクノロジー」と題し、23品目を展開しています。
シャープ 公文ゆい課長:
「マンタがエサだけを口の中に残す仕組みを、糸くずフィルターに採用しました」
マンタのエラはプランクトンを効率よく集めるため、渦を発生させる形状になっています。これをマネすることで、フィルターのすき間を水が通るときに渦が発生。糸くずが集まるようになり、指でなぞるだけでゴミが捨てられます。
「ネイチャーテクノロジー」を押し出した商品の開発
2022年の発売から売り上げが10%アップするなど、売れ行きは好調です。
ビックカメラ 冨浦朋子さん:
「ゴミ箱にポイっとするだけで、お掃除ができたりするところも人気です」
「ネイチャーテクノロジー」にヒットの兆しがあるとにらんだシャープ。今までは製品の一部分にしか活用していませんでしたが、全面的に押し出した商品の開発を始めました。その第一弾が、フクロウの羽ばたきを手本にした送風機です。