家電解体ロボットが大活躍! リサイクル業界で深刻化する人手不足…解消の切り札へ

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岡山県岡山市にあるリサイクル企業が、使用済み家電の解体ロボットを大手メーカーと共同開発しました。人手不足解消の切り札となるのか。企業の戦略に密着しました。

年間約60万台、使用済み家電が集まる

平林金属

岡山県の平林金属。中四国で唯一の家電リサイクル工場です。近県8県からリサイクルが義務づけられているテレビやエアコンなど、使用済み家電が年間約60万台集まります。

手作業で解体

年間13万台を解体する冷蔵庫のライン。10人が手作業でドアの内側に付いたパッキンを外し、中にあるプラスチックケースなどを取り外します。その後はベルトコンベアで粉砕機へ。投入されて約30秒後には粉々に砕かれます。粉々になった冷蔵庫は機械の上から下へ。磁石などを使い、鉄やミックスメタル、樹脂といった素材に選別されます。

業界の平均が84.2%、平林金属平均が85.4%

その後も、風や水で浮き出たゴミだけを除き、冷蔵庫1台から20種類以上の素材を取り出します。選別には独自の機械を導入。選別の回数を増やすことで、業界内でも高いリサイクル率を実現しています。

ただ、リサイクル業界の人手不足は深刻。平林金属でも機械化を進めるなど軽減策を講じてきました。

平林金属 平林 実社長

平林金属 平林 実社長:
「人数が減った分をどうやって穴埋めするのか。一部を自動化してサポートしてくれると、人が少なかったとしても処理台数が全然減らないよね、と」

パナソニックグループと共同開発

平林金属とパナソニックグループが共同開発した解体ロボット

さらなる自動化に向けた一歩がロボットです。エアコンの室外機を解体するもので、家電大手・パナソニックグループと共同開発しました。解体の順番は下記の通り。

1. 外装を2面同時に引きはがす
2. 内部の基板を取り外す
3. 銀色のカバーを外す
4. コンプレッサーを取る
5. 側面のカバーを外す

7つの部品を取り出せる

1つの室外機から7つの部品を取り出す

1つの室外機から7つの部品を取り出すことができます。全ての家電メーカーの室外機が解体できるのです。業界初の解体ロボットを開発できた背景には、珍しい「技術開発部門」の存在があります。機械やラインを独自に研究開発することで、良質かつ多くの素材が取れるようになりました。

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