ゴルフの飛距離アップの鍵は「インソール」にあった 愛知県の豊田合成が開発 ヘルスケア市場も視野に
大手自動車部品メーカーの豊田合成がゴルフのとある製品を手掛けました。飛距離のアップが期待されるその製品には、一体どんな技術が詰まっているのでしょうか。
ゴルフのレッスンを受ける男性。スイングの指導でプロのコーチが注目するのが、右足と左足にかかる体重のバランスを1%刻みで指摘します。一体なぜ分かるのでしょうか。その秘密は、練習生の靴の中からでてきたインソールにありました。
インソールで体重のかかり方を数値化していたのです。作っているのは、愛知県あま市に開発拠点を置く豊田合成。車の窓の雨よけやホースなど、ゴムの加工製品で自動車産業を支えてきました。
そんな豊田合成が作るインソールはどのようなものなのか。開発現場で見せてもらったのはインソールの中身です。何やら回路のようなものが。触ってみると、弾力があります。センサーに使われていたのが、ゴムです。このゴムに圧力がかかってつぶれるとき、つぶれた分の力を電気信号に変えることで、体重のかかり具合を可視化していました。
特筆すべきは、その計測の精度です。わずか5グラムの重りも、センサーがしっかりと感知します。
「他社のセンサーは、だいたい50グラムから反応するものが多いんですけど、私たちは微妙な重さから反応することにこだわって作っています。差別化をできていると感じます」(豊田合成 ライフソリューション事業本部 杉山 勝哉室長)
細かい計測が可能になったことで、ゴルフのスイング時のわずかなミスも発見できるといいます。
まずはお手本のプロのスイングです。スイング前の構えの時点で計測してみると、体重のかかり具合は画像の通り。今回注目したいのが、画像の緑の点。体の「重心」を示しています。クラブを動かすときは、この重心(緑の位置)が前後に動かない方が良いのです。プロが実際にクラブを持ち上げたとき、重心は前後にほとんど動いていません。