トヨタのクルマ生誕の地になった愛知製鋼・刈谷工場 車づくりに欠かせない特殊鋼パーツ製造現場に迫る

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金型で一体成形されるクランクシャフト

今や世界的な自動車メーカーとなったトヨタ自動車。しかし実は愛知製鋼刈谷工場に、トヨタ自動車のクルマづくりが始まった生誕の地があるのをご存知でしょうか。「よきクルマはよきハガネから」という信念から生まれた愛知製鋼は、かつてトヨタ自動車の1つの部署・製鋼部でした。今回は車づくりに欠かせない特殊鋼パーツの製造現場に迫ります。

【動画】激レア! 超高温の特殊鋼プレス映像【工場に潜入】

クルマづくりの原点の地

見学者が絶えないトヨタのクルマづくり原点の地

多くの自動車部品メーカーが集まる刈谷市にある愛知製鋼刈谷工場。敷地内にある古めかしい建物にたくさんの人が集まっています。一見何もないようなこの場所が、実は「トヨタ自動車のクルマづくりの原点の地」です。

豊田喜一郎

1926年、発明王・豊田佐吉が機織り機メーカー、豊田自動織を創業。その製造ノウハウを活かし、息子・喜一郎が国産乗用車の製造に乗り出しました。そして1933年、この場所に自動車部を設立。翌年には製鋼部が設立され、今の愛知製鋼につながっていくのです。

アームロボットが大活躍!クランクシャフト製造現場をクローズアップ

愛知製鋼はたくさんの自動車部品を手がけている

トヨタ自動車の歴史の一端を担う愛知製鋼。自動車部品の製造量は、日本トップクラスを誇ります。まずはエンジンのエネルギーを動力に変える「クランクシャフト」の製造工程を見ていきましょう。

複雑な形のクランクシャフトも特殊鋼の棒材から生まれる

まずやってきたのは、特殊鋼を運ぶ専用のクルマ「サイドフォーク」です。複雑な形をしているクランクシャフト。この棒材からどうやって加工しているのでしょうか。

熱々の特殊鋼をつかむのはアームロボット

マシンを使って特殊鋼を既定の長さにカットします。そしてアームロボットでつかんでトンネルの中へ。加工しやすいよう加熱炉で熱していきます。材料が高温なのもあり、アームロボットが大活躍です。

何度も金型でプレスを行い、見事に成形

その後、運ばれたのが巨大なマシン。上下に付いた金型をググっと押し当て、製品の形へ瞬時に変化させていきます。何度もプレスして段階を踏みながら、少しずつ形を整えたら、クランクシャフトの完成です。

ケバブのように吊るされて工場内で冷却

最後にフックに吊るして、工場内を移動させること約1時間。しっかり冷めたらきれいに磨いてメーカーに出荷します。

中央の円はどのように広げられる?リングシャフト製造現場をクローズアップ

ドーナッツからどうやってリング状に!?

次はエンジンの回転をタイヤに伝える「リングギア」。こちらもまずはプレスして少しずつ成形します。最初のプレスではまだ中央の円が小さい状態です。どのように円を広げているのでしょうか。

アームロボット

その正体は、アームロボット軍団です。それぞれ作業を分担しながら、ドーナツ状の特殊鋼を金型にセットし、横からグーっと圧力をかけていくことで円を広げていきます。

綺麗なリング状になったリングギア

このあとリングギアは自動車メーカーなどでギザギザの歯車のカタチに加工され、部品として使用されます。

素材となる特殊鋼の生産から、特殊鋼を使った車のパーツまで手がける愛知製鋼。令和の今も、トヨタのクルマづくりの立役者といえる存在です。

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