「ケロトッツォ」が救世主! 経営危機から再起図る老舗・青柳総本家 社員のアイデアレシピが新たな名物に
「青柳ういろう」や「カエルまんじゅう」など、名古屋土産の定番として人気の高い青柳総本家。明治12年に創業した名古屋を代表する老舗和菓子店です。青柳総本家は一時、創業以来の経営危機の大ピンチになったそう。会社存続の危機を救ったのは、新名物「ケロトッツォ」だったといいます。そんなケロトッツォの誕生秘話に密着します。
カエルくんをパッカーン! 和と洋の夢の共演
青柳総本家の新たな挑戦となる「ケロトッツォ」。たっぷりのクリームをカエルまんじゅうで挟んだお菓子です。さっそく作り方をのぞいてみます。機械の中でぐるぐるとかき混ぜているのは、ケロトッツォに使用するクリームチーズです。そこに生クリームを加えていきます。
次に冷蔵庫から冷やしたカエルくんを取り出します。まんじゅうを包丁で切ってぱっかーんと開くと、中にはあんこがたっぷり! なんとケロトッツォは、カエルまんじゅうをそのまま使い、クリームを挟むのです。1つ1つ手作業で丁寧にクリームを練り込んでいくという和と洋の夢の共演...! 見るからにおいしそうです。
今では仲間も増えた「ケロトッツォ」の誕生秘話
ケロトッツォは2021年7月に発売して、累計販売数は20万個を突破しました! さらに今では仲間も増え「ラムレーズン&くるみ」「いちご」「いも」など、さまざまなフレーバーが登場しています。そんな大ヒット商品ケロトッツォ。誕生のきっかけは、会社の大ピンチでした。
1879年に名古屋の大須で創業した青柳総本家。蒸し羊かんやういろうの製造で、名古屋を代表する老舗和菓子店です。しかし創業から140年後、新型コロナウイルスの流行によって創業以来、最大の危機が訪れます。
会社が未曾有の危機 一時は売り上げが95%減に
最初の緊急事態宣言のときには、コロナ前の対比で95%減まで売り上げが落ちたそうです。副社長の後藤稔貴さんは「工場の機能を止める状況が続けば、本当に倒産してしまうのではないか。真剣に考えるほど大変だった」と当時を振り返ります。
一致団結して商品化したケロトッツォが大ヒット!
旅行客の激減で「ういろう」や「カエルまんじゅう」といった土産モノが全く売れず、経営の軸を失いつつありました。そんな状況を打破するために、 新商品のアイデアを社員から募集。すると、一通のSNS投稿が話題になりました。カエルまんじゅうのマリトッツォ風アレンジレシピです。社員が新商品のアイデアを具体化し、消費者から好評を得ていたのです。