子どもの水の事故「コロナ禍でプールの授業減少」 泳ぐ力が落ちて危険性増した 水難学会理事に聞く
夏本番、名古屋市では35度を超える猛暑日が続いています。少しでも涼を求めようと川や海などに入る機会が増える時期です。そこで注意したいのが「水の事故」。
2023年も夏休みの初日に福岡県で3人の小学生が亡くなるなど、全国の海や川で痛ましい事故が相次いでいます。
一般社団法人・水難学会の理事である斎藤秀俊さんに、水の事故について話を聞きます。
――コロナによる影響で今年は特に子供たちの水の事故に気をつけないといけないということですが、その理由について教えてください。
コロナ禍で、3年ほど各小学校や中学校でプールの授業が少なかったと聞いています。プールの授業が少ないと、自分の身のこなしや基本的な泳力が落ちてしまいます。3年の期間が空くと、現在の小学6年生の子が小学2年生ぐらいの泳力で止まっているということも十分考えられます。
――名古屋市の教育委員会にも話を聞きました。
【名古屋市教育委員会】
・コロナ禍で2020年・2021年の2年間は、小中学校でプールの授業はなし
・2022年から再開したが、年間8回の授業で夏休みのプール解放はなし
――夏休みのプール開放は、去年も今年もないので、子どもたちが水に触れる機会は減ってしまっているのですね。
減ってしまっています。特に夏休みのプール開放が行われなかったというのは、大変痛いと思います。泳ぎの基本は学校で習いますが、自分自身の身のこなし、危ない状況を把握したり、危なくなったときの対処方法を学んだり。そういった身のこなしはプール開放のときに自分自身で覚えていきます。それが機会として奪われてしまったというのは、本当に痛かったと思います。