子どもの水の事故「コロナ禍でプールの授業減少」 泳ぐ力が落ちて危険性増した 水難学会理事に聞く
――川での子どもの事故に気をつけてほしいというデータもあります。2022年、中学生以下の水難事故が起きた場所について、半分以上が河川で起きたというデータがあります。これは川が危ないという根拠があるのでしょうか。
まず、水難事故というのは、人の行動範囲内で起こります。そのため、河川で事故が多いというのは、子どもが住んでいるすぐ近くの川に行って、溺れたというデータになります。
川には急な深みがあるため危険
――川の大きさとかは関係ないということでしょうか。
あまり関係ありません。小さくても大きくても同じように起きます。川には、急な深みがあるという特徴があります。急な深みがあると、子どもが歩いていって急な深みに入る斜面で砂利が崩れます。そこで一気に深いところまで行ってしまうのです。
こういった事故の場合は、背浮きになる時間もないまま溺れることもあります。
――この場合、対応を知っていても難しいということなのでしょうか。
このように川の深みに落ちてしまった場合の対応方法を知らなかったから、こういった事故につながってしまうのです。各小中学校では、こうなった場合の背浮きになる方法を教えています。しかし、残念ながらコロナ禍の3年間で対応方法を学ぶ機会が失われてしまったのが現状です。