世界初! トヨタが液体水素エンジン車を耐久レースに投入 液体対応の新タンクで航続距離は2倍に

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水素エンジン車

静岡県小山町の「富士スピードウェイ」を駆け抜けるのは、二酸化炭素をほとんど出さない水素エンジン車。水素をガソリンのように燃やしてエンジンを動かしますが、今回トヨタがレースに投入したのは、気体の水素ではなく液体の水素です。

トヨタの初挑戦となる液体水素エンジン車。果たして耐久レースを無事完走することができたのでしょうか。

【動画】変わる水素エンジン車!液体への挑戦「クルマとミライ」

液体水素でレースを戦うのは世界初!

水素をガソリンのように燃やす

2023年の5月、この日に水素の挑戦は新しいステージに入りました。

モータースポーツで鍛え上げてきた水素エンジンの技術。水素をガソリンのように燃やしてエンジンを動かすので、既存のエンジンを活用できます。

佐藤社長

トヨタ自動車 佐藤 恒治社長:
「将来的に、保有のコンバージョン(転換)も視野に入れて考えていったときには、エンジンをベースにしていくカーボンニュートラル技術というのは、可能性が広がるのではないかと思います。液体水素でレースを戦うのは、この場で初めて実戦されます」

水素から液体に変えるために必要な温度管理

水素から液体へ

これまで、水素エンジン車の燃料は気体でしたが、今回は液体に変わりました。水素を液体にすると、気体のときの800分の1にまで体積が小さくなります。ただ、液体のままにしておくには、マイナス253度以下に保たなければなりません。そこで開発したのが新たなタンクだそう。

補給エリアも縮小

トヨタ自動車 高橋 智也さん:
「魔法びんの技術で、外の熱と遮断。断熱します」

液体水素に対応した新たなタンクの開発に成功したことで、航続距離は従来の約2倍に! また、これまで広大な敷地が必要だった水素の補給エリアは、4分の1ほどの面積にまで縮小できました。

今後も脱炭素の選択肢を広げる開発に注力

約4.5キロのコースを358周して見事完走

液体水素でレースを走るのは世界で初めてです。約4.5キロのコースを358周して見事完走。水素の可能性を示しました!

佐藤社長:
「ブレイクスルー(突破口)は、必ずこういう挑戦を現場で続けることで生まれると信じています。量産がいつということを言える状況ではないですが、意思を持って前に向かっていく中で必ずや道筋が見えてきます」

気体と液体、それぞれの特性を生かすために、トヨタ自動車は引き続き開発に力を入れて、脱炭素の選択肢を広げていきたい考えです。

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