「オルカン一択」でいい? 元ゴールドマン・松井雅章さんが語る“国債NISA化”と個人投資家の強み

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大きなリスクを前にしても動じなかった「天才トレーダー」

松本慈子さん(SKE48 )

松井さん自身、トレーディングの仕事で「胃が痛くなる」ような経験は何度もあったといいます。
そんな松井さんが、ゴールドマン・サックス時代に「天才だ」と感じたトレーダーがいました。
現在、AIスタートアップ「Sakana AI」の共同創業者兼CEOを務めるデイビッド・ハさんです。

松井さんがゴールドマン・サックスで営業を担当していた当時、ハさんはトレーダー。松井さんが大きな金額の取引について相談を持ちかけても、その反応はいつも驚くほど冷静だったといいます。
「OK。いつでも決めていい」
市場の状況を考えれば、「この時間はやめてほしい」と言われてもおかしくないような取引でも、動揺することはなかったそうです。
松井さんは、その理由を「自分が今、どんなリスクを取っているのかの解像度が非常に高かったからではないか」と振り返ります。
リスクがないのではありません。
大きなリスクを取っていることを分かったうえで、その大きさを把握し、必要な判断ができている。
だから慌てない。
その姿を間近で見た松井さんは、「こういう人たちと、トレーディングというゼロかイチかの世界で対峙するのは大変だ」と感じたといいます。

【新NISA】「オルカン一択」で本当にいい?個人向け国債論争から見る“国の借金”と私たちの生活【あしたのマネー#60】

個人投資家は「甘い球が来るまで振らなくていい」

岡田愛マリーアナウンサー(テレビ愛知)

では、そんなプロの世界を知る松井さんは、今、自分のお金をどう運用しているのでしょうか。
キーワードは「甘い球」です。

「ホームランを打つぞ、全打席で振ってやるぞ、という感じではない。甘い球が来た時だけ振らせてもらえれば」

松井さんが例に挙げたのが、ウォーレン・バフェット氏の投資哲学です。
プロの機関投資家には、「何もしない」という選択が難しい場面があります。
例えば、生成AIや半導体関連株が大きく上昇しているとき。
その銘柄を全く持っていなければ、「これだけ上がっているのに、なぜ持っていないのか」と問われることがあります。
野球で言えば、ストライクが来ているのにバットを振らない状態です。

しかし、個人投資家は違います。
「明らかにストライクが来ても、『まあいいか』と言っても誰に怒られるわけでもない」
相場が上がっているからといって、慌てて参加する必要はありません。
自分が理解できない投資先なら見送る。
本当に「これはチャンスだ」と思える場面が来るまで待つ。
松井さんは、それこそが個人で運用する人が持っている大きな強みだと話します。
プロと同じように毎回バットを振ろうとするのではなく、自分が納得できる「甘い球」が来るまで待つ。
投資を始めると、つい「何かを買わなければ」と思ってしまいますが、「買わない」という判断もまた、一つの投資判断なのです。

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