【専門家解説】トランプ色に染まる米建国250周年 凱旋門レプリカや格闘技開催に国民の複雑な胸中

国内(社会) 政治 話題 友だち追加

7月4日、ニューヨークではアメリカ建国250年を祝うために花火が打ち上げられました。ただ、アメリカ国内は、祝賀ムード一色とはいかないようです。アメリカの首都ワシントンD.C.に作られたのは、観覧車です。さらに、観覧車の前には、金色の像に、大きな門。実はこれ、トランプ大統領が建設を計画している凱旋門のレプリカです。今、アメリカ国内では建国250周年を祝うさまざまなイベントが開かれています。祝賀ムード一色と思いきや、ある批判も聞こえてきます。

アメリカ政府は、トランプ氏の肖像画が印刷されたパスポートを発行すると発表。さらに6月、ホワイトハウス前で総合格闘技の試合を開催しました。トランプ色に染まった建国250年の事業にアメリカ国民は何を思うのでしょうか?

建国250周年の独立記念日、トランプ大統領の演説が「分断」を象徴

前嶋和弘教授

アメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授に話を聞きました。

--アメリカのこの建国、独立の記念日というのはかなり盛大に祝うんですね。

上智大学 前嶋和弘教授:
「毎年そうなんですよね。そもそも独立記念日の7月4日しか花火を認めてない州も結構あります。それ以外は本当に盛大にやります。特に今年の場合は250年なので、すごく盛大なのです。花火、通常の30、25倍くらい撃ったんです」

--これほど盛大に祝うのは、250年という節目だからなのでしょうか。

上智大学 前嶋教授:
「その通りです」

花火

--大統領の色を出すということは、過去にはあったんですか?

上智大学 前嶋教授:
「あまりないものです。もちろん、トランプ大統領とか近年の大統領はどうしても、分断を象徴して、党派的な演説をすることが多いのですが、今年のトランプ大統領の場合は本当に分断を象徴すると。民主党の左派の方を共産主義だと言って、アメリカの250年の話とは関係ない話を持ってきたため、国民の意見は割れています」

「暴力の肯定」が若い世代で6割に迫る――麻痺するアメリカの民主主義

金色の像

--分断を象徴しているということは、いろんなところに現れていたんですか?

上智大学 前嶋教授:
「そもそも独立記念日をあまり盛大にやりたくないと思っている人もいて、様々な各種世論調査だと、今から250年前何があったのかと独立宣言が書かれて、人は生まれながらにして平等で、その権利は本当に認められているんだ、自然権なんだという話なんですが、この理念がどれだけ今生きているかってことに関して、半分ぐらいの人が生きていないんじゃないかと見ていたり、あるいは世論調査だったら民主主義がもうアメリカでは機能していないと思っている人がデータにもよるんですが5割ぐらいになっていたり、国を正しい方向性に戻すために暴力に訴えていいんだとのデータが全体で37%。若い人、30歳以下になるともう6割ぐらいまでになっているんですよね。こういうデータをとったことは何回かあるんですが、通常1割以下です。暴力でアメリカを正しい方向性に持っていく話なんてありえないとなっている。それだけ人々がアメリカの方向性に迷っている。いまのこのアメリカの動きが分断という一言なんですが、本当にこれでいいのだろうかと苦悩している表れでもあります」

--暴力に訴えていいのが37%というのは、驚きですよね。話し合いが基本じゃないんでしょうか。

上智大学 前嶋教授:
「そもそも、話し合いが基本なのが民主主義なんです。だから民主主義も機能しなくなっている。それで、若い人に関しては6割、58%が暴力肯定派なんです。この調査、PBSという公共放送がやったんですが、58%が暴力に訴えていいんだという結果は衝撃的な数字だと思うんです」

おすすめの記事

おすすめの記事

アクセスランキング

アクセスランキング

ページトップへページトップへ