物価高が重要文化財修繕にも直撃 「後になるほど費用がかさむ」 襲う劣化と修理費高騰
名古屋から車で約20分。奈良県の法隆寺などに次ぐ古刹が愛知県あま市にあります。甚目寺観音です。今から約1500年前の597年に漁師がお堂を建てて聖観音像を奉納したのが始まりとされています。なかでも有名なのが国の重要文化財「甚目寺南大門」です。1196年に鎌倉幕府将軍、源頼朝の命を受けた梶原景建物の損傷が進んでいました。時が、奉行として建立したと伝えられています。その門を近くでよく見てみると、
記者リポ:
「一部分が削れていて、ゲンコツ大より1回り小さいくらいのくぼみができています」
そこで、甚目寺では去年から既存の屋根材や傷んだ木材などを入れ替える工事を始めました。その費用は、1億7000万円。費用の75パーセントは国の補助金でまかないます。その審査には年月を要しました。
あま市教育委員会生涯学習課 入野真由美課長補佐:
「令和2年に(国の補助金の)申請を始めてから毎年申請を出していて、やっと令和6年に文化庁の決定がおりたので工事を始めることができた。1億7000万円という費用は、甚目寺だけで負担できるものではないので、国や県、それぞれから協力してもらって進めている」
文化庁の担当者「緊急性がない場合は、待ってもらうことも」
一方、愛知県稲沢市の天下の奇祭「国府宮はだか祭」です。儺追殿を目指す神男がくぐるのが「楼門」です。
18日に取材すると、屋根にはところどころに修復した跡がありました。
国府宮神社担当者:
「屋根自体がかなり弱まってきていて、ちょっとした剥がれで強風が吹くと檜皮が飛んだり、ちょっとした剥がれからどんどん穴が大きくなっていく」
2026年1月には強風の影響でヒノキの皮が剥がれ落ち、横幅3メートルほどの穴があきました。
国府宮神社担当者:
「今年のはだか祭りはこの形で致し方なく迎えたが、早く新しい屋根で参拝者を迎えられるようになるといい」
文化財の修復について文化庁の担当者は、「緊急性がある場合は、修復費用を補助する予算をつけるが、緊急性がない場合は、待ってもらうこともある」と話しています。しかし、文化財を管理する側は、悠長にしていられない現状もあるといいます。それは、修復費用の高騰です。
稲沢市生涯学習学習課文化財グループ 田中俊輔主査:
「見込みで、全体で1億5000万円くらいかかるのでは。材料費などが年々上がっているので、(修理が)後になればなるほど全体の費用がかさんでしまうのではないかという恐れがある」
稲沢市は、国と調整してこの秋から修理の事業を始める方針で準備を進めていますが、課題もあります。
稲沢市生涯学習学習課文化財グループ 田中俊輔主査:
「屋根をふき替える場合、必ずその前に耐震診断を受けないといけない。耐震工事が必要となった場合には、耐震工事が終わった後ではないと、屋根のふき替えを行えないので、その分工期が伸びることにもなる。なるべく早くもとの形に戻して、行けばそこに当たり前にあるような風に戻せたら」












