【蒲郡土砂崩れ】大量の水の出所はどこか 「豊川用水の漏水」指摘する声も 行政は再調査に動かぬ

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蒲郡土砂崩れから1年半

愛知県蒲郡市で起きた土砂崩れの被災者遺族を1年半追いかけました。3回にわたって
特集で伝えます。

2回目は、土砂崩れの起点部にあった設備と土砂崩れとの関係についてです。

発生前に目撃されていた「大量の水」

2024年8月27日午後10時ごろ、蒲郡市竹谷町で局地的な土砂崩れが発生しました。がれきの中から助け出された鋤柄尚美さん。しかし、父・定夫さん、母・真知子さん、弟・求さんの3人は帰らぬ人となりました。

現場となった裏山の斜面は、土砂災害警戒区域の外でした。遺族が今も強い違和感を感じているのは、発生前に目撃されていた「不可解な水」の存在です。

発生の6時間前、ドライブレコーダーの映像には尚美さんの自宅付近だけに大きな水たまりができている様子が映っていました。近隣住民も「そんなに雨が降っていないのに、向こうから水が流れていた」と証言しています。

発生6時間前に起きていた異変と「空気弁」

管内のたまった空気を逃がし、水の流れを良くするための空気弁

その崩落現場の真上にあったのが、地中の水道管の空気を逃がすための設備「豊川用水の空気弁」です。

尚美さんと妹・北上泰代さんは「こんな風に穴があくのを見たことがない。ここしかないんですよ。本当に豊川用水の責任がないのか」と、その因果関係を疑い続けています。

行政の結論は「原因不明」

水の出どころは「不明」

2025年5月、愛知県が調査報告書を公表しました。報告書では「大量の表流水が土石流となって斜面を高速で流れ下った」とする一方で、問題の空気弁に漏水やその痕跡はなかったとしました。

また、当時の雨量は最大46ミリで大雨警報も出ておらず、湧き水の跡も確認されなかったことから、報告書は「表流水の発生元を特定する客観的なデータは得られなかった」という内容に留まり、「原因不明」と結論づけました。

この結論に対し、尚美さんは「分からないのを分からないで終わらせてしまって、それは行政として正しい判断だったのか」と問いかけます。

「原因は漏水と推定」42年の職務経験者が訴える「再調査」の必要性

空気弁の下の部分のみ落ち葉が水で流されている

「表流水の発生源が不明という終わり方は納得できなかった」

そう会見を開いたのは、豊川用水の維持管理を42年間務めた中根徳男さんです。中根さんは、今回の土砂崩れの主要な原因は「21号空気弁の漏水にあると推定される」と発言しました。

中根さんが挙げる根拠は2点。8月28日未明に豊川用水の本管を止めたところ、現場の救助隊員から「水が明らかに減った」「水が引いていった」との証言があった点。また、土砂崩れから1週間後の写真では、空気弁の下だけ落ち葉が水で流されたようになっている点。

中根さんは、空気弁から強制的に漏水を発生させて水の流れを確認する「再調査」を要望しましたが、行政側は動きませんでした。

水資源機構の回答は

今回の調査を行った愛知県の各部署に再調査の意思を問いました。

森林保全課(復旧工事担当):「崩れた後の対処がメイン。原因究明は我々と仕事が違う。再調査することはない」

砂防課(区域指定担当):「用水は所管外。知識やノウハウが一切ないので、担うことは不可能」

農地計画課(調整担当):「再調査をするかどうかに関しては水資源機構の判断になってくる」

「漏水の痕跡」が指摘される中、水資源機構は何と答えるのでしょうか。

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