能登半島地震 家庭ごみ2週間以上処理できず 支援の名古屋市職員が語る被災地の状況
能登半島地震からまもなく1か月。復旧を進める中で問題となっているのが被災地で出るごみの処理です。災害廃棄物などのごみ回収の支援には、名古屋市からは環境局の職員55人が対応に当たりました。現地で支援活動をした、名古屋市環境局の中山惇さんと南谷岳志さんです。
10袋や20袋など、大量に滞留されている避難所も
中山さんは金沢市を拠点に活動し、1月7日から9日まで穴水町の避難所から出るごみの回収にあたりました。
名古屋市環境局 中山惇さん:
「名古屋と違って雪がすごい降っていて、慣れない雪道を運転しました。道路の損壊や寸断が多かったので、通常2時間から2時間半で金沢から(穴水町に)行けるところを、4時間から5時間かけました。現地に入るまで苦労しました」
作業の中である気づきがあったといいます。
中山さん:
「(避難所から出るごみは)弁当や食料の空き容器、断水していることもあって使用済みの簡易トイレがありました。いわゆる汚物を包んだごみが多く見られました」
3日かけて全避難所の30から40カ所を回る
中山さん:
「避難所の規模にもよりますが、大きい袋を数袋だけ出ているところもあれば、10袋や20袋など大量に滞留されている避難所もありました。1回の収集で全部回れるのが理想でしたが、なかなか回ることができませんでした。穴水町の事例だと、3日かけて全避難所の30から40カ所を回りました」
一方、南谷さんは15日から17日まで、中能登町で家庭ごみの回収にあたりました。
名古屋市環境局 南谷岳志さん:
「(中能登町が)家庭ごみを通常処理している七尾市の工場が、今回の震災で損壊してしまいました。金沢市の工場に一定量、中能登町のごみを搬入できる見込みが立ったので、15日から家庭ごみの収集が始まりました」
毎日1世帯1袋を出せるようにルール設定
ただ、2週間以上溜まった家庭ごみはかなりの量だったといいます。
南谷さん:
「2週間分のごみを一度に全て出し切ると収集しきれないので、月曜から金曜まで毎日1世帯1袋を出せるというルールを設定して、5日間かけて2週間分のごみを出し切る、収集しきるという調整をしました」