厚さ、たった0.45ミリ 超薄型のリチウムイオン二次電池・エナセラは「がいし」を製造する技術から誕生

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日本ガイシが独自の技術を使い、厚さ0.45ミリという超薄型の充電式のリチウムイオン電池を開発しました。この電池の開発に使われているのは、がいしの製造で培われた技術でした。

厚みは0.45ミリのリチウムイオン二次電池「エナセラ」

防犯用ライト付きアームバンド

充電可能なリチウムイオン二次電池「エナセラ」。厚みは0.45ミリで曲げることもできるので、防犯用ライト付きアームバンドや、ヘルメット装着型GPS発信機にも使えます。多機能化したクレジットカードの電源として活用することもできます。

多機能化したクレジットカード

開発したのは、名古屋市に本社がある日本ガイシです。その名の通り、「がいし」をつくっている会社です。がいしとは、送電設備に使われるセラミック製の絶縁体。日本ガイシは世界シェアトップです。

結晶配向技術がカギに

がいし

そんな日本ガイシが山あいの工場で生産しているのが、二次電池の「エナセラ」です。電気を通さないガイシをつくってきた会社が、なぜ電池をつくっているのでしょうか。理由は日本ガイシが持つ、独自のセラミック技術にあります。

日本ガイシ NV推進本部 執行役員 大和田 巌さん:
「リチウムイオン二次電池の正極部分が、セラミックスです。その結晶の方位をそろえる『結晶配向技術』がキーです」

結晶配向技術

通常のセラミックスは、原料の粒子を高温で焼き固めてつくります。しかし「結晶配向技術」を使えば、粒子の向きをそろえることができ、製品の性能を向上させられます。従来は中の結晶の向きがバラバラで、電子が効率よく流れませんでした。その結晶の向きをそろえることで、効率的に電子を流せるようになったのです。

日本ガイシ 大和田さん:
「非常に高耐熱、質力が大きい、低抵抗。セラミックスがベースでつくられているので、信頼性も高く、長寿命です」

マイナス40度の環境下に置いても耐えられる

例えば、電球を取り付けたエナセラをマイナス40度の環境に入れて数日間放置。それでも品質は変わりません。105度に耐えられるタイプもあります。薄くて大容量、温度変化にも強いエナセラを使い、ある実験が行われています。

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