「全固体電池」は挽回の策になるか 「実用化後が真の勝負」東京工業大学の教授に聞く

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電気自動車(EV)の普及に伴い注目を集める「全固体電池」。日本の各自動車メーカーが実用化に向けて開発を急いでいます。全固体電池の研究を続ける第一人者、東京工業大学の特命教授・菅野了次さんに次世代バッテリーについて詳しく話を聞きました。

電池

東京工業大学 特命教授 菅野了次さん:
「電池は200年前に発明されたデバイスです。プラスの電極(正極)とマイナスの電極(負極)、その間にある電解質という3つの部材で構成されています。電極は主に個体、電解質は液体というのがこれまでの常識でした。その液体の部分を固体に置き換えるのが、『固体電池』になります。

液体が漏れないことはもちろん、固体にすることによって信頼性・安全性の問題が向上するだろうと考えられています」

日本は全固体電池の研究において現時点で世界をリードしています。

――全固体電池は、日本にとって起死回生の一手となるのでしょうか。

菅野さん:
「可能性は十分あります。しかし電池はEVの中の単なる1つの部材です。どのような車を造るかということに、電池は依存すると思います。車側からどのような電池が必要か要望があり、それに対応する電池を開発します」

トヨタは早ければ2027年に全固体電池の実用化を目指す

トヨタ自動車は2027年に実用化を目指す

トヨタ自動車は早ければ2027年、日産自動車も2028年度までに全固体電池の実用化を目指すとしていて、日本の各自動車メーカーは実用化に向けた開発を急いでいます。菅野さんは、実用化後が真の勝負だと話します。

菅野さん:
「電池は使われていって特性が良くなるものです。基礎研究も重要ですが、新しい電池が出てきてそれをうまく次のステージに育てていくのが一番重要だと思います」

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