脱炭素化を見据える各鉄道会社 ディーゼルエンジンから水素エンジン車両へ 鉄道ジャーナリストの見解は
JR東海だけではなく、JR東日本なども水素を活用した車両の開発をしています。ただそれだけでは脱炭素化しきれないと指摘する専門家もいます。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは「電力で走る車両も、環境には悪影響を及ぼしている」と言います。
西武鉄道 日中は電車の電力をすべて太陽光でまかなう
鉄道ジャーナリスト 梅原淳さん:
「電力会社が発電する火力発電所をたくさん使えば、そこでCO2が出ます。これもなるべく減らそうという傾向にあって再生可能エネルギーを使おうということで、例えば西武鉄道は今、日中は電車の電力はすべて太陽光を使っています。おそらくJR東海の新幹線の電力のほとんどを太陽光にしましょうとなります。もう1つの考え方として、架線があるところでも燃料電池の車両を電車の代わりに走らせよう、というもの。ディーゼルカーの置き換えではなくて、電車の置き換えにも使おうという考え方もあります」
環境性能に優れたものを入手する流れが続く見込み
――今後の鉄道はどう変わるのでしょうか。
鉄道ジャーナリスト 梅原さん:
「将来的に考えて燃料電池や水素エンジン車両は、今後ディーゼルカーを置き換えるとともに電車も置き換えていくと思います。もっと高性能のものが生まれれば、新幹線の動力になる可能性もあります。例えば2023年の秋に、『宇都宮ライトレール』という電車が開業しました。最初から100%再生可能エネルギー、バイオマス発電と太陽光を使っています。この比率はどんどん高まって行くと思います。エネルギーを自前で確保する、しかも環境由来や環境性能に優れたものを入手する流れは、今後も続いて行くと思います」