タクシーの運転手不足 「混雑時には運賃を上げる」需要に合わせて変動を 名古屋大学教授が指摘

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地方だけでなく、都市部でも深刻な問題となっているタクシーの運転手不足。コロナ禍による離職や高齢タクシー運転手の増加など、理由はさまざまです。そんな運転手不足を解消するために政府が動き出したのが「ライドシェア」。一般のドライバーが自家用車を使って有料で客を送迎するものです。

しかし、名古屋大学大学院の加藤博和教授は「抜本的な解決にならないのでは」と指摘します。

ライドシェアは抜本的な解決にならない

名古屋大学大学院 加藤博和教授:
「一番需要がある朝の時間帯だと、ライドシェアの担い手は家事・家族の送迎の対応で稼働できない恐れがあります。抜本的な解決にならないのではないかと思います」

さらにタクシーの運転手不足の鍵は、ドライバーの賃金を上げることだと言います。

迎車タクシーの待ち時間が長い

タクシーの運転手不足の鍵は、ドライバーの賃金を上げること

――タクシードライバーの賃金を上げる方法は何かありますか。

加藤教授:
「タクシーは歩合制なので、お客さんが増えれば運賃収入が上がるので、自動的に給料も上がります」

そのためにはタクシーをより効率よく稼働させることが重要だと指摘します。

加藤教授:
「(迎車のタクシーを)待たせるパターンを減らせば、1人でも2人でも多く運べます。夜は効率が悪いので嫌がるドライバーが多いです。(待ち時間を減らすために)待機料金をたくさん取るとか迎車料金を上げることも必要だと思います。待たせるのであれば、待たせるだけお金を払わないと。(稼働・収入減になり)どんどんタクシーをやりたい人が減ってしまいます」

混雑時は運賃を上げて、空いている時間帯は運賃を下げる

日中の郊外はタクシーが余っている

また加藤教授は、ビジネス客が少ない郊外では、日中はタクシーが余っていると指摘します。そこにもタクシーを効率よく稼働させる鍵があると言います。

加藤教授:
「(客が)朝と晩だけ多いのであれば、昼間の運賃を下げて昼に利用してもらえるようにする。これは大事な解決策です。これを『ダイナミックプライシング』と言っています。混んでいるときに運賃を上げて、空いているときに運賃を下げる。そうすると(客が)平準化して、運転手が少なくても全時間帯でよりたくさんの客を運ぶことができます。(運賃を)安くしても(客がいる分)収入は上がるので、運転手はうれしいと思います」

さらに、配車アプリも有効だと言います。

配車アプリは近くにいる人をたくさん運べる

配車アプリ

加藤教授:
「配車アプリの場合は、同じ運転手の数でもたくさんの人を運べます。駅(の乗り場)だと(客を)待っていないといけない。配車アプリを使ってお客さんと出会い、乗せて降ろすと、またアプリ上で近くの人を運ぶことができます」

――利用者は配車アプリを積極的に利用するべきでしょうか。

加藤教授:
「スマホを使えてタクシーに乗りたい人であれば、配車アプリを活用してもらいたいです。お年寄りにも(使い方を)覚えてもらい、アプリを使ってもらえればと思います。スマホ教室を開くなども必要ではないかと思います」

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