「やれるうちはやる」国の天然記念物を1人で守り続ける91歳の女性 夜間に伝説の生物を調査・瀬戸市
「伝説の生物がいる」とのウワサを聞いてやってきたのは、愛知県尾張北東部に位置する瀬戸市。さっそく街中で聞き込みをしてみると「大きいやつは1メートル超」「どっかの川にいる」「その川のいちばん上流にいる」と市民たちの間ではしっかり認知されているようです。
その伝説の生物の生息地は岐阜県との県境にも近い瀬戸市の北部を流れる「蛇ヶ洞川(じゃがほらがわ)」と判明。山間に流れる小さな川を上流目指して向かっていくと小魚やザリガニ、カエルにトンボなどたくさんの生物が見つかり、自然の豊かさを感じます。
天然記念物に指定された「オオサンショウウオ」
しかし、1メートル超にもなるという伝説の生物の痕跡はおろか、手がかりは見つからず。そこで一度戻って再び近隣住人に聞き込みをしたところ、なんと伝説の生物の正体が判明します。
伝説の生物の正体は国の天然記念物にも指定されている「オオサンショウウオ」。蛇ヶ洞川周辺はオオサンショウウオの生息地となっていて、近隣で暮らす人たちもそのことを誇りしているんだそうです。
そんな瀬戸市のオオサンショウウオを守り続けているのが91歳になる水野哉子さん。70年以上前に初めて目撃してから、蛇ヶ洞川に棲むオオサンショウウオをずっと見守り続けてきたそうです。
下手に構うと指を食いちぎられてしまうという凶暴な側面もあるものの、「くるりとした目がかわいい」とオオサンショウウオの魅力に惹かれたと話す水野さん。40年ほど前からは地元の有志たちとともに、オオサンショウウオが棲みやすい環境を守る活動にも取り組んできました。