売り上げ減少傾向の百貨店 三越は屋上の活用で業績アップを狙う 「遊具よりもお酒のニーズがあるのでは」

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近年、業績の減少傾向が続く百貨店業界。百貨店の新しい価値を発信していこうと、“屋上スペース”の使い方に注目が集まっています。

そこで、名古屋の文化や歴史に詳しいフリーライターの大竹敏之さんに、百貨店の屋上活用のアイデアを聞きました。

百貨店の屋上で養蜂

――名古屋栄三越の屋上で養蜂とのことですが、どう感じましたか。

おもしろい試みだと思います。三越の屋上というと、現在は動いていませんが観覧車が文化財になっています。それを養蜂にうまくリンクさせて生かせないかな、と思ってしまいますよね。例えば、観覧車のカゴの中で養蜂するとか。そうすれば、より三越の屋上でやる意味というのが出てくるような気はします。“三越らしさ”を生んだ方がいいんじゃないかと思います。

過去の百貨店の屋上

――先ほどの映像の中にもありましたが、昔は遊園地の観覧車などがデパートの屋上にはあったそうですね。写真のような雰囲気ですよね。

私はまさに、この時代で育ちました。やはり名古屋の人にとっては、デパートの屋上は特別なものです。天守閣が再建される前に、模擬天守が百貨店の屋上に設置されていたこともあります。また、岡本太郎さんの大きな壁画もあったんです。この辺の人たちは、休日に家族でお出かけすることを大事にしているので、そういった場所だったんです。

――先ほどの写真を見ても分かるように、かなりの人がこの屋上に訪れていたんですね。名古屋の百貨店の屋上としては、どのように活用すれば良いのでしょうか。

名古屋の百貨店の特徴としては、親と子どもの2代で買い物をするお客さんがすごく多いんです。親と一緒に買い物に行って、財布の当てにする、みたいな人が実は百貨店をすごく支えています。しかし、現在の屋上にはそういった人たちが行けない場所になってしまっています。

その一方で、百貨店の屋上をビアガーデンなどで生かすところもあります。とはいえ、ビアガーデンにシニア世代の母親や娘さんが行けるか、というと少し行きにくいですよね。

名古屋は、ここ5年、10年の間に昼飲みできたり立ち飲みできたりするような場所が増えたんです。そこも百貨店のメインのお客さんはまだ行きづらいですよね。だからこそ、そういう人たちが百貨店の屋上に行って、昼からおしゃれに飲める場所みたいな形になると、現在メインのお客さんを生かしつつ、屋上も生かせるのではないかな、と思います。

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