産業廃棄物の卵殻でガラス作り 老舗メーカーが取り組むSDGs、二酸化炭素の排出量を減らす

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岩倉市にある老舗ガラスメーカー「石塚硝子」は、意外なものを原料に、ガラスを製造しています。その原料は、卵の殻、卵殻(らんかく)です。石塚硝子のSDGsの取り組みを追いました。

卵の殻をガラスの原料に

石塚硝子は、グラスや工芸品など、ガラス製品を200年以上作り続けています。

1年間の卵の消費量が、約260万トン、国民1人当たりの消費量は世界で2番目に多いといわれる日本。ケーキやマヨネーズなどを作るための液卵を製造する企業からは、特に多くの卵殻が廃棄されます。

産業廃棄物として捨てられる卵殻は、日本で年間およそ25万トン近くに及ぶといわれています。

「有効利用されないで捨てられている資源が世の中にたくさんあることに思い至りました。いろいろと検討を重ねた結果、卵の殻をガラスの原料として使うことにした」石塚硝子 イノベーション推進部 両角秀勝リーダー

卵殻にも同じ成分が含まれる

ガラスは主に4つの原料を混ぜ合わせて作られます。そのうちの1つ、石灰石には炭酸カルシウムが含まれていて、実は卵殻にも同じ成分が含まれているのです。

卵殻を使うことで、新たな石灰石を製造する時に生じる二酸化炭素の排出量を減らすことができるようになりました。

さらに廃棄する予定だった卵殻を石塚硝子が原料として利用することで、産業廃棄物の量を減らし、環境への負荷も軽減できるようになりました。

ホタテの貝殻

石塚硝子はどのようにして卵殻を原料として使うことになったのでしょうか?最初に原料の候補となったのはホタテの貝殻だったといいます。

ホタテの貝殻にも炭酸カルシウムが含まれているのです。しかし、大きな問題がありました。

ホタテの殻を産地である青森から調達しようとすると、愛知県までおよそ1000キロも運ばなければなりません。

輸送による二酸化炭素を多く排出してしまい、コストもかかることからホタテの殻の採用は見送らざるを得ませんでした。

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