【専門家が徹底解説】金の価格変動を予測するならドル建て 目からうろこの金相場

経済 社会 くらし・生活 友だち追加

金価格の高止まりが続く現状について、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの塚田裕昭主任研究員に話を聞きました。

田中貴金属 金(1グラム)の販売価格

―――金価格の高止まりが続いていますが、この要因には何が考えられますか。

「田中貴金属 金(1グラム)の販売価格」のグラフを見ると、高止まりが続いているように見えますが、あくまでも円ベースの話です。むしろ、金は世界的にはドルベースで見るのが一般的ですので、ドルベースで見ると足元では少し下がっています。

金先物の価格

―――たしかに、ドルで見た時の金の価格のグラフを見ると、若干下がっているように見えますね。ここから見える経済状況について教えてください。

世界経済や世界情勢がどうなるのかで考えると、金の価格が上昇するのは不安定性が高まっている状況だと思います。現状は、金融不安定化のリスクなどが全くなくなったわけではないので、過去に比べれば高めの水準で推移しています。

とはいえ、そのリスクが少し緩和するような見方が増えてきたので、足元で価格が下がっているのだと思います。

―――有事だったのが少し落ち着いてきて、金の価格もドルベースで見ると横ばいあるいは少し下がったということでしょうか。

これ以上悪くなるという見方が収束してきたのだと思います。

―――今後の金価格はどのように推移していくと考えていますか。

金相場はあくまで相場なので確たることはいえません。世界経済のリスクが高まっていくことで考えると、すでにウクライナ紛争など、さまざまなことが起きていて、すでに水準も高くなっています。これからさらに悪くなっていくシナリオは起きづらいのではないかと考えています。高止まりかあるいは、若干下がっていくといった見方ができるかと思います。

―――円ベースでは、今後どのように変動すると予測していますか。

円安が進めば金の価格が上がっていき、逆に円高の方向に行けば下がっていくので、為替次第と考えています。日本国内で金が高止まりしているように見えるのは、為替の影響かと思います。

―――日本国内での、金を買う動きはどうなると考えますか。

金自体はどんどん価格が上がっていくものではありません。為替の先行きをどのように読んで、それぞれの投資家の方がどう見るかによると思います。

おすすめの記事

おすすめの記事

アクセスランキング

アクセスランキング

ページトップへページトップへ