美術館に「居場所がない」!? 行き場をなくす美術品の危機と愛知県が打ち出す全国初の解決策
近年終活という言葉をよく聞きますが、皆さんは家にある「美術品の終活」について考えたことはありますか?
美術品とは絵画や彫刻、陶磁器、書道といった観賞用の作品を指します。家を整理していてこうしたものが出てきたけれど…今後の扱いや処分に困った場合、美術館に寄贈するという方法もあります。
美術品を美術館などに持ち込み、公共的価値があると判断されたらその施設に寄贈できます。愛知県美術館で保管している作品の約9割は、寄贈によるもの。作品の作家やその遺族、コレクターなど一般の人からの寄贈が多くを占めています。
しかし今、こうした美術品に危機が迫っています。愛知県内の美術館に取材をすると、美術品の保管場所が足りなくなりつつあるといいます。今回は「美術館の中に居場所がない!? 美術品の危機」について調べました。
迫る保管場所の限界…愛知県美術館でも「収蔵庫」の8〜9割が埋まる
美術品の居場所について詳しく見ていきます。美術館や博物館で作品を保管する場所は正式には収蔵庫と呼ばれますが、施設で展示できる作品の数というのは限られるため、それ以外の作品はこの保管場所に入ることになります。しかし現在、愛知県美術館では約8割から9割が埋まっており、数年以内にスペースが不足する見込みです。
地下駐車場に6年間放置でサビやホコリ…大阪府ではトラブルも
保管場所が足りないために、実はトラブルも起きています。大阪府の事例です。府が所有する彫刻作品105点が置かれていたのは、なんと府庁舎の地下駐車場。2017年から2023年の間、約6年間にわたって地下駐車場に置かれていました。大阪府によると、管理する作品の多くは府の文化施設の中に保管されていたのですが、文化施設の保管場所が不足し、暫定的な保管場所としてこの駐車場が使われていたということなのです。
しかし、これによって彫刻作品には、さびやほこりが確認されて、専門家の調査によると、保管環境が要因と思われると指摘されているのです。
法政大学の金山喜昭教授によると、収蔵庫では美術品の劣化を防ぐために温度や湿度を管理しているのですが、地下駐車場のように管理に適さないと思われる場所では劣化や損傷につながる可能性があるといいます。新しい保管場所を増やすことができれば一番良いのですが、予算不足のために収蔵庫を新しく作れない施設が多いという現状があります。
















