【南海トラフ地震】愛知県が被害予測を12年ぶり見直し 津波死者は減るも建物倒壊への対策が今後の課題に

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愛知県は、南海トラフ地震が発生した場合の県独自の被害予測を12年ぶりに見直し、6月2日に公表しました。想定される死者数は前回の調査よりも減ったものの、課題も見えてきました。

愛知県が南海トラフ地震の独自の被害予測を公表するのは2014年以来です。国が2025年3月に発表した被害想定や最新の地質のデータ、そして社会状況の変化などを反映して調査しました。

今回の調査は、過去に起きた南海トラフ地震のうち、最大規模の地震が発生した場合を想定しています。県内の広い範囲で震度6弱以上の強い揺れとなり、西尾市や田原市の一部などでは、前回の調査よりも揺れが大きくなると予測されました。

一方、地震による死者数は最大約5300人で、前回よりも約1100人減りました。このうち最も減少幅が大きかったのは浸水や津波による死者で、約2800人でした。

条件

死者数が減った背景を調べに取材班が向かったのは飛島村。2級河川の日光川の河口近くです。

記者:
「いま水門が閉じはじめました。先ほど干潮となり、これから海の水が川に入ってくる時間となるため、海の水をせき止める役割を担っています」

日光川水閘門と呼ばれる水門です。日光川の流域は4割ほどが海抜ゼロメートルで津波による浸水の危険性が高く、地震の際に津波から街を守る役割を果たします。

実は前回の調査の時に建っていたのは1962年に造られた水閘門で、柱の一部にはひびが入るなど老朽化が課題でした。これを受け、県は改築工事で地震に強い構造に作り替え、2018年に新たな水閘門の運用を始めました。あわせて周辺の河川の堤防の耐震化なども進んだため、新たな予測では、日光川流域の浸水面積が大きく減少。津波・浸水による死者数も大幅に減りました。

これについて、今回の被害予測に携わった名古屋大学の鷺谷威教授は。

名古屋大学 鷺谷威教授:
「だいぶ減っている。一定レベルの意味があったと言える」

一方で、課題も。鷺谷教授が指摘するのは「建物の倒壊などによる死者数」です。その数は前回と変わっていません。

名古屋大学 鷺谷威教授:
「耐震化の工事が進んでいない。9割は終わっているが、10%でも人口比で行けば被害が多い。高齢者が必要ないと思っても、家が倒れると道路をふさいで救助を妨げる可能性もある」

県はすべての建物が耐震基準を満たし、さらに家具の固定や落下防止対策などを行えば、死者数を約7割減らせるとしています。

名古屋大学 鷺谷威教授:
「見直しの機会は貴重。改めて家庭でも考えてほしい」

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