クルーズ船がアジア競技大会の“選手村”候補に アミューズメント施設で交流 アスリートからは不安の声も

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2026年に愛知県内を中心に開催される予定のアジア競技大会をめぐり、大会組織委員会は5月8日、選手の宿泊施設の新たな候補を明らかにしました。

佐藤記者:
「選手の宿泊施設の候補地として、新たに明らかになったのがここ、名古屋港の海の上…に浮かぶクルーズ船です」

8日、大会組織委員会の会長を務める愛知県の大村知事が明らかにしました。

愛知県 大村秀章知事:
「相当規模の選手が宿泊可能なクルーズ船をホテルシップとして提供することについて、検討調整を進めていくことにした」

約3000人を収容できるクルーズ船を、20日ほど名古屋港に停泊させる想定です。

愛知県 大村知事:
「クルーズ船の中にはさまざまなアミューズメント施設があるので、そういったものは活用できる。もちろん選手村のような大きい規模にはならないが」

大規模な国際大会でクルーズ船を選手の宿泊施設として活用するのは初めてだということです。

クルーズ船が宿泊施設候補になった経緯は…OCAからの指摘

選手村の建設費が2倍以上となり取りやめに

一体なぜ、クルーズ船が選手の宿泊施設の候補になったのか。

大会開催が決まった2016年当初は、名古屋市港区の名古屋競馬場跡地に、1万人を超える選手や大会関係者を収容する選手村の建設が予定されていました。

しかし2023年3月…

愛知県 大村知事:
「選手村の施設整備の取りやめ。選手村の施設整備費は大幅に上昇する見込み」

300億円と見込んでいた選手村の建設費が、原材料や物価の高騰で2倍以上に膨らむ見通しとなり、経費削減のため選手村の建設は取りやめに。代わりに、複数の既存のホテルを借り上げ、宿泊施設に充てる方針を打ち出しました。

しかし、選手の宿泊施設が散らばる計画に、大会主催者のOCA=アジア・オリンピック評議会は「選手間の交流が課題だ」と指摘。

そこで組織委員会が目を付けたのが3000人程度を収容できる大型クルーズ船です。一定規模の選手を集約して宿泊はもとより、交流の場としても活用する狙いです。

クルーズ船にかかる費用について大村知事は…

愛知県 大村知事:
「宿泊・警備・輸送など、集約可能で節減できる経費もある一方で、クルーズ船のチャーター料はホテルの借り上げより高いので、あまり大きく変動しないような形で収めていければ」

選手の宿泊施設はクルーズ船のほかに、ホテルをはじめ県内外の50施設の借り上げも検討しています。

これらの方針は、11日に開かれるOCAの総会で協議される予定だということです。

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