「水を使わないトイレ」を備えた車 石川県の被災地へ 製造した「トイファクトリー」の社長の思い

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1月に発生した能登半島地震の被災地では、2カ月以上経った今でも広い範囲で断水が続いています。特に石川県珠洲市では、市内全域の95%にあたる4540戸で断水が続いています。

そんな中、水を使わないトイレを備えた車を製造し、被災地で貸し出しているのが岐阜県可児市の「トイファクトリー」です。現地ではどのように使われているのか、そしてどのような思いで製造したのか。トイファクトリーの藤井昭文社長に話を聞きました。

「水を使わないトイレ」で臭いを軽減

トイレ

――「水を使わないトイレ」の使い方を教えてください。

通常通りにトイレのふたを開けてもらい、その後は凝固剤を入れてふたを閉めます。そしてスイッチを2つ押すと動作が始まります。すると袋がギュッと絞られ、中に入った汚物が密閉状態になります。

この袋は医療用のビニールパックです。中でバクテリア等が発生しないようにつくられているので、臭いも軽減されます。

トイレカー

――トイレに特化した車をつくり、被災地を支援しようと考えたきっかけは何でしたか。

トイファクトリーでは被災直後に珠洲市へキャンピングカーを届けました。当時、全国からトイレカーがたくさん集まっていましたが、8割ぐらいが使えないような状態でした。我々は往復で10時間ありましたが、スタッフはその間で1回しかトイレを使えなかったというシチュエーションがあったんです。

我々が使うトイレは水しか使わないトイレだったので、「何かできないか」と考えたところから開発がスタートしました。トイファクトリーではさまざまな目的に合わせて使える車として「MARU MOBI」(マルチパーパスモビリティ)をつくっています。そこで車内を改装してパーティションを立て、トイレを2基搭載したトイレカーを製造しました。

トイファクトリー・藤井昭文社長

――被災地では非常に役立っているそうですね。今後もさらに台数を増やして支援される予定でしょうか。

被災地では女性やお子さんにとても喜んでもらいました。今後はより台数を増やして、3基は搭載できるような状態にして被災地に届けたいです。

3基目は運転席の後ろ、縦方向に並ぶような形で追加設置をしようと思います。

――車内の構造自体を変えて、さらにパワーアップしたものを被災地に送る予定なのですね。

より被災地の方に便利に使っていただけるよう、改良していきます。

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