トヨタが往年の名車「AE86」をバッテリーEVに レビンとトレノをコンバージョン、脱炭素社会の実現へ
最新のカスタムカーなどが集まる世界最大級の展示会「東京オートサロン」。トヨタ自動車は、40年も前に発売された往年の名車「カローラ・レビン」と「スプリンター・トレノ」(通称AE86/ハチロク)を紹介しました。しかしいずれも、ただの「ハチロク」ではありません。脱炭素社会に向けて、水素エンジン車やBEVに生まれ変わらせました。トヨタの最新の技術が盛り込まれた“古くて新しい”AE86に迫ります。
トヨタで1983年発売のAE86
1983年発売の「カローラ・レビン」と「スプリンター・トレノ」。DOHCツインカムエンジンを搭載している軽快な走りが特徴です。当時の自動車ファンから絶大な人気を誇りました。その往年の名車に、トヨタ自動車が水素エンジンを施しました。
トレノを水素エンジン車に
スプリンター・トレノは現状のガソリンエンジンの大半をそのままに、必要最小限の部品を変更。水素を燃やして走る水素エンジンにしたのです。一方、カローラ・レビンはエンジンの代わりにバッテリーとモーターを搭載したバッテリーEVにしました。
車の動力源を変えるコンバージョン(変更)を行い、40年の時を経てエコカーとしてよみがえらせたのです。
今後はゼロエミッション化が不可欠に
自動車経済評論家 池田直渡さん:
「車は発売されたときだけでなく、その後10年以上走ります。日本の場合は平均で約13年走行します。すでに発売されて路上を走っている車のコンバージョン(変更)をしてゼロエミッション化していかないと、2050年のカーボンニュートラルが達成できませんよ、と」
今ある車を生かす考え方として、池田さんは商用トラックのコンバージョンに注目しています。
池田さん:
「特に大型のトラックは価格が非常に高いです。これをできるだけ安いコストでカーボンニュートラル化する方法として、水素エンジンは考えられます。豊田会長が常に伝える『全ての道を閉ざさない』『誰も置き去りにしない』。もし古い車をEV化して乗りたいという人がいるのだとすれば、それはそれで良いじゃない、と。それはお客さまが選ぶことです」