能登半島地震の「揺れ」を再現 他地域で発生した「地震」との違いも 改めて自宅の“耐震確認”を
名古屋大学にある「減災館」は、防災や減災について考えるきっかけにしてもらいたいと建てられた施設です。館内の展示には、実際に起こった地震の揺れを再現できる振動台があります。1月1日に発生した石川県珠洲市の揺れを再現すると、近くで見ているだけでも、思わず体が震えるほど怖い揺れになっています。
名古屋大学減災研究センターのセンター長・飛田潤さんに話を聞きます。
木造家屋にとても大きな影響を与えた
――館内に設置されたモニターは、揺れを表しているのでしょうか。
地震が起こると震度が発表されますが、振動を計測しているところでは同時に揺れそのもののデータも取っています。そのデータを参考に再現しました。
――今回の地震の特徴について教えてください。
振動台で揺れを見ていただきましたが、前後左右に大きく動いていたかと思います。1往復の時間が約1秒から2秒となっていて、揺れが特に大きかったことが分かっています。こういった揺れは、木造家屋や少し古い木造家屋にとても大きな影響を与えることが知られています。震度自体もかなり大きかったですが、揺れの特性も建物に影響が大きかったといえます。
――今回の地震のほか、これまでに起こった地震を比較したパネルも展示されていますね。
石川県珠洲市で確認された震度6強の揺れや、29年前の阪神淡路大震災の揺れ、2016年の熊本地震のときの益城町の揺れなどを記載しています。揺れの大きさはどれも大きいですが、今回の地震は揺れの長さがかなり長いことが分かると思います。
――揺れが長くなると、それだけ大きな被害が出てしまうということでしょうか。
建物が長く揺れ続けると徐々に壊れてしまい、被害も大きくなります。今回は余震が多くありました。何度も揺れることによって、被害が増えることがあります。
――建物被害が起こってしまうかもしれない地震に対して、どのように備えていけば良いのでしょうか。
阪神淡路大震災から29年経ちました。当時もたくさんの建物に被害があり、多くの方が亡くなりました。今回も多くの建物が壊れたり倒れたりすることが被害を大きくしたのは確実です。地震に強い建物に住むことが大切かと思います。